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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
23:大使館と夏の日々

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23-5

嘉神家からのお中元として届いた素麺が残り1割まで減った8月上旬、今度は深大寺の家からお中元が届いてきた。


「何故かお中元として暑さ対策グッズが届いたんですけど、使います?」


「OH ……」


段ボール箱に詰め込まれていたのは濡らして使う冷却タオルが人数分と冷却スプレーが揃えられている。


「ありがたいけどちょっと多くないか?」


「僕もそう思うんですけど、去年の手紙で暑い暑い書きすぎたせいかしっかり暑さ対策しておきなさいって手紙が来まして。職場の皆さんも熱中症対策しっかりしてください、との事で」


「そもそも去年は金羊国にはいなかったんだけどな。まあせっかくだしみんなで使えるようにしておくか」


「じゃあみんなにお配りして良いんですね?」


「使えるもんは使っておこう。あとで俺の方で深大寺家にお礼状でも書いておくよ」


それでも真夏の暑さ対策としてあるとありがたいのは事実なので、大使館内の暑さ対策として活用させてもらうことにしよう。


早速冷却タオルを水差しの水で軽く湿らせて首に巻くとひんやりして心地よく、さらに衣服に軽く冷却スプレーを吹き付けるとハッカの爽やかな香りと冷感が心地よい。


「やっぱりこういうのあると違うな」


室内といえど冷房のない部屋に不慣れな現代人にはこの部屋は少々暑苦しいので、こう言うのがあるとありがたい。




(そういやトンネル工事の現場とか紅忠の事務所はちゃんと熱中症対策してるんだろうか?)




ふと、そんなことが頭をよぎる。


流石に異世界で一般の地球人が熱中症で亡くなるようなことは避けたい。


確か明日、ハルトル宰相のトンネル工事現場視察に同行することになっていたな。


それに合わせて熱中症対策も確認してみようか。




***




翌日、雲ひとつない真夏の太陽の元を歩いてトンネル工事の現場を見に行くことになった。


政経宮の入り口まで俺と木栖でハルトル宰相とエイン魔術官を出迎えることになっている。


(そういえばハルトル宰相と最後に会ったのは北の国での訪問が終わった直後だから2か月ぶりとかになるな)


訪問の際に道案内としてグウズルン情報管理官を付けてもらったお礼とちょっとした情報交換も兼ねてお茶をしたのが最後だ。


「お久しぶりです」


ふわふわとした羊毛を1センチほど残した状態で刈り上げて胸や臀部を金太郎の前掛けのような布で隠したハルトル宰相は、今や前回会った時とは別人のようにほっそりとした見た目になっている。


「え?」


「このところ本当に暑いので毛を少し薄くしてもらったんですよ」


「なるほど?でも珍しいですよね、この国の人は自分の身体に刃物を入れたがらない人が多いですし」


大使館が始まってだいぶすぐの頃にオーロフの角が危ないのでは?ということで角を削る事を提案したのだが、本人から断られた事がある。


曰く、奴隷として扱われた経験を持つ多くの人にとって角や牙を削るというのは当時の経験を思い出すので好まない人が多いのだという。


「そうですけど、決して削ったり切ったりしてはいけないと僕は規定してないという事を身をもって見せることにもなりますからね。まあ1番の理由はこの暑さですけど!」


アハハーと陽気に笑いながらハルトル宰相が答え、エイン魔術官も「まあ暑さで倒れられるくらいなら剃ったほうがいいのも事実なんですけどね」と呟いている。


この様子だとエイン魔術官は剃るのに抵抗感があるタイプなのかもしれない、鳥系獣人だと毛を剃るというより羽毛を引っこ抜く感じになってしまって毛を減らすのが難しそうな気がするが。


「そんな話は置いといて、早速ですけど行きましょうか」


「ええ」

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