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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
20:全権大使は名探偵じゃない

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20-1

金羊国第一都市、3月上旬、朝。


朝食を済ませて必要な荷物を電動トゥクトゥクに詰め込んだ俺たちのものに、2人の男性と1人の女性がやって来た。


「真柴春彦大使と木栖善泰一佐ですね?」


1人はスーツ姿に坊主頭のメガネ男性、もう1人は小柄で筋肉質なな警察官制服の男性、女性は雑に伸ばした髪の毛を括った眼鏡の女性だ。


「宮内庁の方ですか?」


「はい、宮内庁侍従の半井梓(なからい・あずさ)と申します、この度は大変お世話になります」


関西のイントネーションで喋る坊主頭の男性はにこやかにそう笑いながら軽く頭を下げた。


「皇宮警察刑務部の一花真尋(いちはな・まひろ)です、階級は巡査長になります。本日からよろしくお願いします」


隣にいた小柄な警察官も頭を下げた。


今回の北の国のパーティーは現国王の子どもの誕生日祝いであるので、そのお祝いのメッセージと贈呈品を安全に送り届けて二国間の友好につなげるのが2人の仕事である。


「かっ、株式会社ニューライド開発部の笠置(かさぎ)まゆみです!今回は電動トゥクトゥクの修理なんかを担当しますので、よろしくお願いします!」


若干緊張を滲ませて90度に腰を曲げつつ名刺を出してくるので「お気になさらず、顔を上げてください」と思わず声をかける。


笠置さんの顔を見てみるとよく言えば素朴、悪く言えば芋臭い雰囲気の漂う狸顔と言う印象だ。


「子狸さんみたいな雰囲気やなあ」


「ははは、よく言われます……」


「トゥクトゥクの順番やけど僕ら真ん中でええかな?真柴さんと木栖さんが前で、笠置さん最後にしたいんやけど」


「それで構いませんよ。私としても皆さんが前の方が異常に気付けますので」


俺たちもそこは想定していたので問題ない。


全員既にトゥクトゥクに荷物を積み終えているのであとは案内役のグウズルン情報管理官が到着すればいいだけとなっている。


『お、いっぱいいる』


そう呟く声の方を見れば白い毛並みに青水晶の瞳をした白獅子の獣人女性がいる。


荷物は全部ナップサックのようなものに詰め込んであるようで、だいぶ身軽な印象を受ける。


『今回はお世話になります』


『ハルトルの頼みだからね。今回は地球の乗り物を使うって聞いたけど、これ?』


『はい。トゥクトゥクという3人乗りの乗り物で、これは太陽の光を電気に変えて動きます』


『ふーん。季節の変わり目だからずっと晴れるか怪しいけどまあ歩くよりはましか』


グウズルン情報管理官を見て本当に獣人がいるという事に新鮮な驚きを見せる半井さんや笠置さんに、木栖がグウズルン情報管理官についての簡単な紹介をしていた。


東京でも獣人を見かける機会もあるにはあるが数は少ないし、まして白獅子の獣人はこちらの世界でも希少だから物珍しさが先に来るのだろう。


『グウズルン情報管理官には俺たちのトゥクトゥクに乗っていただき、木栖と俺が交代で運転するので道を曲がるタイミングや休憩できる場所を教えてください』


『了解、到着予定は?』


『14~5日ですかね』


『じゃあ日暮れまでに第7都市に着ければいいかな。この時期は大森林の外の天気が不安だからさっさと行こう』


グウズルン情報管理官はトゥクトゥクの中を一通り確認した後、後部座席に腰を下ろす。




「半井さん、一花さん、笠置さん。全員揃ったので行きましょうか」




ここから北への旅が始まる。

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