表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
19:大寒波と大使館

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

252/325

19-8

金羊国の大雪は8日ほど続いた。


特に3日目から5日目にかけては昼夜関係無く断続的に雪が降るため、あまりの雪で仕事に出られない人も続出するほどの混乱ぶりであった。


が、9日目の朝。


窓から差し込む朝日で目が覚めて空を見上げると、雲一つない青空が広がっていた。


「雪雲が晴れた……」


まだ少し風の音がするが窓越しに感じる日差しは暖かい。どうやら大雪は今日で終わりのようだ。


この天気が2~3日続けば雪もすっかり解けてくれるだろう。


「これで少しは混乱も落ち着くかな」




……と、思っていたのだが。


「ふたりとも泥だらけだな?」


泥で真っ黒になった状態で玄関に立っていたアントリを見て俺は考え方を変えた。


「申し訳ありません、急いでいたら雪解けのぬかるみに足を取られてしまいまして」


アントリのケンタウロスのような体は泥で真っ黒になり、オーロフも足元が泥だらけで茶色から黒へ変色している。


2人の遅刻もそう言う事ならば仕方ないだろう。


「そう言う事なら別に咎めないから早く体を洗っておくといい、今日も寒いからお湯沸かしても良いぞ」


「ありがとうございます」


2人が頭を下げて体を洗いに出ていく。


大使館の前庭もここ数日の雪が一気に雪解け水となったことでずいぶんとぬかるんでおり、確かにこれに足を取られたらああなるだろうと納得してしまう。


(いつもならここまでひどくないんだがなあ)


何かぬかるみ対策を施しておきたいところだが、すぐに出来るものと言われても思いつかないのも事実だ。


せいぜい足を取られないように気遣う程度だろうか。


「あ、泥落としマットも置いとくか」


大使館は基本土足なので、こういう日は入る前に泥落とし用のマットを置いておかないとすぐ泥だらけになる。


普段は素足の人(足が蹄だったり毛や肉球があって靴が合わない人が結構いるのだ)が一定数存在するこの国の土地柄に合わせて柔らかめのマットを敷いているが、今日ばかりはたわし付きの硬めのものに敷き替えておこう。


この天気がしばらく続くようならぬかるみ対策用品も準備した方が良いかもしれない、とぼんやり頭の隅で考えつつ朝一番の仕事に戻るのであった。




****




雪解け水によるぬかるみがすっきり消えた頃には暦は2月も半ばに差し掛かっていた。


「雪がなくなってもまだ寒いな」


そうぼやく俺に「まだひと月ぐらいはしょうがないんじゃないか?」と苦笑いを零す。


「あんなに寒いのが続いたら早く暖かくなってくれと思うのが人情だろ」


「でも暖かくなったら北の国に行かないといけないんだぞ?」


「……そうだった」


厄介な仕事を思い出して苦虫を噛み潰す俺を「向こうが寒くない事を願うばかりだな」と言う。


金羊国も北に行くほど寒くなるようなので北の国も4月でもまだ寒いという推測が立つので、もうその時点で行く気が失せる。


もうずっと寒かったのだからこれ以上寒いところに人を放り込まないで頂きたい。


「派遣される担当者は決まったのか?」


「遅くとも今月中には決めるとさ、もう少ししたら俺もお前ものんびりできなくなるぞ」


「そうか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ