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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
17:大使館と王の来日

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17-6

金羊国時間10月8日、朝。


俺達は北の国御一行を出迎えるため、予定よりも15分早く北の国御一行の宿へと向かった。


その場凌ぎのものにしては立派な木造二階建ての建物の入り口で、既に身支度を整え準備万端の北の王家御一行が待ち侘びていた。


「この度は遠路はるばるお疲れ様です、在金羊国日本大使館全権大使の真柴春彦です。後ろにいる木栖と共に今回の訪日では日本側の調整役を務めますのでお困りの事がございましたらお伝えください」


全員の顔を一通り見渡してみるが、北の国の国王とシェーベイル宰相補佐官以外は全然分からない。


「自己紹介が必要なようだな」


俺の一瞬の困惑を読み取ったらしい北の国の国王が、左横にいた横にいた臣下達に自己紹介するように促した。


「機械で記録を撮っても?」「構わん」


許可を得た上で木栖がスマホの撮影を始める。


1番に俺のそばに来たのは見覚えのある金髪碧眼のぽっちゃり娘である。


「宰相第3補佐のアネッテ・ディ・シェーベイルでございます。我が王より日本をはじめとした異世界の外交を専任として任され、今回の訪日に於ける調整役を頂いておりますので日本側のご連絡は私を通して頂きます」


次に口を開いたのは紺青の髪と瞳をした30そこらの細身の男がすっと一歩前に出る。


服装こそ仕立てのしっかりした高級品のようだが、立ち居振る舞いにどこか庶民的な雰囲気を感じる。


「宰相第8補佐官のイヴァン・ディ・ヘルペンシュルツでございます、主に通商を専任しております」


「同じく宰相第12補佐官のニクラス=ブルーノ・ファーゲシュトレーと申します。主にこの度では調査記録を専任しております」


ファーゲーシュトレーを名乗った緋色の髪の小太りおじさんは腰が低く、衣服もヘルペンシュルツ氏に比べれば庶民的なように見える。


そこから右横に居た人々に交代となると、1番外側にいた桔梗色の白髪混じりの髪と桔梗色の瞳の60前後の男性が現れた。


「龍の山脈が麓を護り18家の14番目の家・グズネツォフの当主、ヴラジスラフ・ディ・クズネツォフと申します」


(なるほど、左側は直接自分に仕える人間で右側に自分に仕える貴族を置いてるのか)


俺が並びについて納得していると、木栖が「失礼ながら18家の14番目とは?」と聞いてくる。


「北の国にある龍の山脈の麓にある18の家のうち14番目の爵位を賜っているという意味合いです、爵位もお伝えしておくべきでしょうか?」


「可能であれば」


「子爵でございます」


「ありがとうございます」


木栖のそのひと言で次の人に交代された。


現れたのは苔色の薄い髪に抹茶色の瞳をした見た目がそっくりのおじさん2人である。


「北の国が南端にある24家が22位、オニーシム・ディ・セナトロフでございます。畏れ多くも国王殿下から男爵の位を頂いております」


「同じく北の国が南端の24家が24位、コルリーニ・ボルヤノフ、騎士爵でございます」


双子という事はないだろう(双子は獣胎として嫌われるので)が兄弟か何かだろうか?随分よく似たおじさん2人が並んでいるので見分けにくい。


ここに更に1人につき3人の従者がついているのでもう全員と顔の名前を覚えられる気すらしないが、主要な王侯貴族の顔と名前だけ叩き込んでおけば従者は雰囲気で見分けるしか無さそうだ。


幸い従者は全員地球では滅多にない派手な髪色の人間なので地球側関係者との見分けはつくはずだ。


(これ先に日本側に伝えておいた方がいいな、元々顔と名前の情報あんまり届いてなかったし)


手紙という連絡手段の制約上容姿の情報とか全然届いてないので仕方ない。


木栖に目でアイコンタクトを送るとこくりと頷いてそっとその場を出て走り出した。


「ここからは歩きとなります、日本へ繋がる道は大変酔うので一応酔い止めをご用意致しました」


日本から持って来た酔い止めの薬を出しておく。


あのトンネルは通る前に日本の酔い止めを飲むとほぼ酔わずに行けるのだが、流石に未知のものを自分から飲む事無さそうな気はしてる。持って来たのは念のためだ。


「酔い止めは我々の方で持参してます、全員既に飲用済みですので今すぐでも問題もありません」


シェーベイル宰相補佐がそう告げるのでやっぱりそうかと思いつつ、まあどうせ日本に着いたらまた改めて自己紹介を頂くはずだろう。


「失礼しました」


そのやり取りはそこそこに、北の国王殿下は「ところで、」と口を開いてこう聞いて来た。


「ハルトルはいつ来る?」


「予定の時間に日本へ繋がる道の入り口で合流する予定です」


「そうか、ならもう行こう」


北の国王がそう言って立ち上がるので仕方ないと口を開く。




「では、行きましょうか。私たちの国へ」

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