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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
17:大使館と王の来日

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17-2

そもそも、俺はリエゾンに指名される前から北の王家来訪に関して色々と仕事を請け負っていた。


具体的に言うならもてなすための情報収集として北の国王殿下について知っているだろう人物から、その人となりや趣味嗜好などを聞いて回っていたのだ。


「今度の日本来訪の調整役になりましたので何かありましたら大使館にお知らせ下さい」


「戻ってきたばかりなのにお疲れ様です……」


ハルトル宰相は労わりの言葉をかけてくれる、今回の件でははじめてもらったコメントである。


「まあ上からのご指名ですし、下調べも何割かは俺が担ってたから使い勝手良かったんでしょうね」


下調べに関しては現地に赴任してる人間がいないので仕方ない部分もあるが、だからと言って疲れた部下をろくに休ませずに新しくでかい仕事を突っ込んでくる神経はどうかしてると思う。


俺の情報源のひとつとなっていたハルトル宰相は「あまり自虐に走らないで下さいよ」と苦笑いでフォローを入れてくれる。


「仕事が多いとげんなりする質なもので」


「でも意外とそう言う人ほど余計な手間を省いて効率的にやるから案外有能だったりするんですよね」


「ならそういう人間はしっかり休みを与えた方がいいですよ」


「大丈夫です、うちは給与と休みがしっかり入手出来る職場を目指してますから」


休みの頻度や価値観が違うので一概に比較は出来ないが、休める時には仕事のことを一切考えずのんびり休める環境を整えようとしてる事は知っている。


ハルトル宰相が穏やかな微笑みと共にそう答えるのを見るとつくづく思うことがある。




(この国の官僚がしっかり休めるのを思うと、日本の官僚ってかなりブラックだよな……)




どうにも出来ないこの世の現実を憎たらしく思いつつ俺は手持ちの書類をまとめ直した。




***




大使館に戻ると、一羽の鳩が俺を待ち構えていた。


北の国の王家からの連絡用伝書鳩である。


手紙を回収して餌と水を与え、早速手紙を広げてみる。


送り主はいつも通り、アネッテ・ディ・シェーベイル宰相補佐からだ。


内容としては概ねこんな感じである。




来訪者については当初の国王夫妻、宰相補佐3名・原油売買を受け入れた貴族3家の当主とその家族8名と警護や身の回りの手伝いをする人を含めて24人だったが、王妃殿下と王妃殿下付きの者たちが不参加になったため21人に変更。


日程も10月中旬(日本では11月下旬)の6泊7日で変更無し。


国内での異変を取り次ぐ担当者を金羊国内に借り上げた建物に置くので何かあればそこに知らせる仕組みを準備中、完成次第追って連絡予定。


原油関係の各施設の見学と動物園の見学については来訪者全員からの承諾を得たので、来訪期間中の予定表や来訪予定地の地図を送って欲しいという依頼。


北の国側の調整は自分が行うので、日本側の調整役となる真柴氏には頑張って欲しいというメッセージ。




『異世界である日本への旅立ちを楽しみにしております』という一言で締めくくられた手紙をなんとも言い難い気持ちで読み終える。


地味に人数が減るのが調整する側としては面倒だが伝えておかないとならない部分だ。


鳩は一旦鳥籠に入れておき、手紙はクリアファイルに挟んで日本へ持っていく事にした。


そろそろ木栖が午前中の仕事を終えて一度戻ってくる時間だ。午後の日本行きには木栖も連れて行こう

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