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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
13:真柴春彦の冬休み

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13-4

休日明け、大使館は年越し前の最後の大仕事が待っている。


「今日から俺は金羊国での供与武器の指導訓練に入る」


朝食中に木栖が今日の予定を切り出す。


ちょうど俺が例の親族から手紙を受け取ったあの日、成田ではアメリカ銃火器協会から金羊国への武器供与記念式典が行われていた。


その武器が昨日ちょうど金羊国に到着したので、今日から正式に配備されることになる。


「確か3回に分けて配備するんだったよな?」


「金羊国側の管理体制の問題で今回はM19111を100、M24SWSを50、あとは関連備品と整備補修用品だな。まずは扱えるようになることが先決だから銃そのものより整備補修キットのほうが多いぞ」


「まずは管理の仕方からってとこか。まあ筋は通ってるよな」


この国では未知の武器である銃火器の悪用を防ぐためにもまずは少人数でいいから基礎的な扱いに慣れ、慣れたら覚えたものを指導官にして全員に配備する形らしい。


事前にファンナル隊長が木栖と相談のうえで配備部隊を決めており、まずはそこで全員が扱えるようになってから拳銃指導部隊/狙撃指導部隊として再編成して全員に使用方法を指導する形になる。


「狙撃って専門職のイメージですけど全員狙撃指導受けるんですか?」


嘉神がそう不思議そうにつぶやくと、木栖が「個人の適性を見て拳銃と狙撃で分けるらしい」と付け足した。


その適性診断もアメリカ銃火器協会提供のテキストと木栖の意見を基に作成されており、現在は指導部隊希望者を振り分け終えた状態になっている。


残りも順次振り分けを行い、来年夏と冬に残りが供与されるのでそのタイミングで全員に配備される。


「指導訓練中は朝晩しかここにいない形になると思うから、夏沢に留守を頼む形になる。


昼飯は出来る限りこっちで取るようにするから、分からない事があったらその時聞いてくれ。緊急性が高ければ俺のところまで来てくれてもいい」


「!、了解しました」


食事の手を止めて立ち上がって敬礼姿勢になった夏沢を「米粒ついてるよ~」と飯山さんがやんわり指摘する。


その横で「あ、」と素っ頓狂な声をあげたのは納村だった。


「木栖さん宛の業務連絡は一度夏沢さんに預ける形になります?」


「とりあえずそうして欲しい。優先順位の振り分けは夏沢に託す、私的なものは俺の部屋の扉にでも差し込んでくれればいい」


「分かりました、あと高槻君にも一応伝えときますね」


「頼む」


そういえば、ここに来て日の浅い夏沢にフォローは必要だろうか?


手が空いているときにでも俺のほうで目を配っていた方が良いかもしれない……まあ、防衛省の事なんぞ全然知らないからどの程度役に立てるか怪しいが。なんなら少し生活に余裕のある柊木医師に頼んでもいい。


「そういえば、外務省側でこの件について言われたりしてないか?」


「あー……銃火器協会の幹部が5月頃にでも指導訓練の様子を見に行きたいと言ってるらしい、現状向こうの大使館(在日金羊国大使館)と外務省が打診を受けてる程度だけどな」


「わかった。本決まりになったら教えてくれ」

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