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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
2:大使館を作る(金羊国編)

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2-6

戻ったあと一番にやるべきは買ってきたものの仕分けである。


自分のためにと全員が譲ってくれた一番広い部屋。その一番奥の窓際に重厚な木製の机が置かれている。


日が沈んだ部屋の明かりはここに据え付けられている明かりだが、部屋の隅までは光が届かずLEDの明るさになれている身にはいささか薄暗い。


現代日本の感覚で例えるなら高速道路のトンネルぐらいだろうか、ある程度のことは出来るが細かい作業は無理だ。


(あとでLEDランタンを持ってこよう)


念のため持ってきていたランタンはあいにく自分の部屋に置きっぱなしなのでやれる範囲でやろう。


60センチほどの小さい窓に向けられているのは作業時の採光のためだろうが、紙の日焼けや万が一の事を考えて窓側を背にしたいが……1人だと重そうなのであとで手伝って貰おう。


あとは壁に沿って木製の棚がふたつ。窓に向いているのが気になるがこれは作り付けのようで移すのは無理だ、市場で買っておいた薄布を目隠し代わりにするための布も棚に置いておこう。


ちなみにこの国ではあまりカーテンが普及していないようで、カーテンレールやそれに類似したものは見当たらなかった。


(これは持ってきていないから日本から持ってくるか作って貰うかだな……)


カーテンの文化はこちらに持ち込んでも社会に影響を及ぼさないだろう。自分たちのせいでこちらの社会に混乱をもたらす訳にはいかない。せいぜい布屋が忙しくなるだけだ。


将来の技術転移も考えて現地の大工を呼んでつけてもらうか?もしかしたら市場で見つけられなかっただけで国外に似た様なものがあればいいのだが、とにかくこれは作って貰うとする。


来客用の机と椅子はあるがこちらも木製。座布団のようなものはあったが、少し高いので今回は来客用2つにとどめてある。


さて、次は日本から持ち込んだ仕事道具の荷解きだ。明日でも良いが早めにやっておくに越したことはない。


書類の類はまず棚に並べていく。日本のオフィスでお馴染みのものが異世界の棚に並ぶのは奇妙な気分だが仕方ない。


この棚には日本政府の秘匿書類も管理する都合上目隠しの布をかけたあと、布地を重しで仮止めする。明日以降画鋲で止めておこう。


覆っていない棚には隠さなくてもよい置物や事務道具の予備(これは下の目立たない場所だ)を並べておき、壁には世界地図と日本地図を飾るため出しておく。


静かに扉が開くとヘッドライトをつけた木栖が『調査中』と殴り書きされたホワイトボードを俺に見せた。


しばらく部屋の各所を確認した後俺のほうを向いた。


「黙って入ってすまない」


「いや、何の調査だ?」


「盗聴器の確認だな。あとお前に小型の盗聴妨害機を、電源を入れると人間には聞き取れない周波数の音で妨害してくれる」


「そうか、その辺の危機管理のことはお前に任せる。ところであの机を窓辺から離したいんだが重そうなんであとで手伝ってくれるか?」


「まだ確認していない部屋があるからそこが終わればな。まだ確認できてないところが多いんだ」


「ならそっち優先でいい。あと施設内に安全装備として明日以降蓄光塗料を塗っておきたい、この世界の明かりが俺たちに使えないとなるとな」


そう、ここの明かりは基本的に俺たちには使えない。


どういう事かというとこの世界はあらゆるものが魔術を使える人間のために最適化されており、俺たちはこの世界の魔術が使えないようだった。


例外的に柊木医師は僅かながら使えるようだったのでそのあたりは本人が自ら魔術を習得しつつ調べるかたちになる。


ろうそくもあるがこの世界ではあくまで補助的な明かりという立ち位置であり、なにより火事のリスクがあるので木造建築のここでは極力使いたくない。


「持ってきてるならいいぞ、ここをくれた金羊国側には事後承諾になるだろうが安全のためだしな」


聞いた話や会ったときの個人的な印象としてはあの宰相閣下は人命優先と言えば文句は言わない気がする。


「明日にでも準備しよう。あと夕飯、もうすぐ出来るらしいぞ」

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