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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
10:大使館のあとしまつ

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122/323

10-15

銀座から上野の駅に降りると、ぽつぽつと雨が降っていることに気づく。


梅雨時の東京らしいじめっとした雨に苦笑いをこぼすと「傘どうする?」と木栖が聞いてくる。


「コンビニで買っていくか」


金羊国にも傘はあるが細く組んだ木に動物の皮を張ったそれは管理に手間がかかり現代日本人にはいささか使い慣れない。あって困るものでもないし、駅のコンビニで買っていこうと話をする。


コンビニに立ち寄るとお土産物もおいてあり、心配をかけた人々の顔も浮かんだ。


「買っていくか」


嘉神・納村・柊木医師・飯山さんにはシガール、オーロフとアントリには東京ばな奈、金羊国側の関係者には―……パンダのクッキーが良いだろう。量が多くて日持ちするし。


「全部おみやげか?」


「色々心配かけたしな」


「俺も同じこと考えてみはしのあんみつ買ってた」


傘と反対の手に下がるかごに気づいて「考えが被ったな」とつぶやき、まあいいかとつぶやく。


「帰るか」




****




雨の上野を抜け、日本と金羊国をつなぐ複雑なトンネルを歩いて超えると、そこは見覚えのある金羊国側の入り口―金羊の女神を祭る神殿地下―だ。


濡れ傘を片手に神殿を出ると見覚えのあるふたりがいる。


「ファンナル隊長、……と納村?」


「おふたりともご無事でしたか?!」


俺たちの無事の戻りに歓喜するファンナル隊長を宥めつつ納村に聞くと、ファンナル隊長はどうやら俺たちが日本でクビにならないよう金羊の女神に祈りを捧げてくれていたのだという。


納村はただの付き添いだという、なぜ付き添うんだという突っ込みは無粋なのでするまい。


「大使館のほうは?」


「特に大きな問題なく、私ら不在の間にとんでもない事してたことにむしろ嘉神が怒ってましたね」


「そうか」


「金羊国側も色々不安抱えてたみたいですし、明日の朝イチで挨拶行った方がいいですよ。いろいろしてたっぽいですし」


言われてみれば世論が俺たちに好意的だったのは駐日金羊国大使館の声明が大きい。もしかするとほかにも裏で色々してたのだろうか……いや、あのグウズルン情報管理官のことなので指示はしてたかもな。


神殿を出ればそこは初夏から夏へと移り行く金羊国の星空。


地球と違う澄んだ空に輝く星々の並びに戻ってきた実感がわく。






(……ただいま)




もうここは俺の大切な場所なのだ。



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