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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
10:大使館のあとしまつ

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10-14

国による俺たちの訴追の可能性がなくなった、という報道が来たのは総理との会食の翌日、ホテルで見ていたニュースで聞かされた。


『秘かに面談を行ったうえでそう判断した』という総理のひと言は世間からは現場主義的と大いに高評価を受けた。


「まあ法務省の連中は死んだ顔してたと思うけどな」


「それを言ってやるなよ」


木栖から冷静かつドライな突っ込みをスルーすると飯島は「お前らのせいで俺の首まで飛ばずに済んでよかったよ」と言い出す。


「お前自分の首の心配もしてたのか」


「どこまで飛び火するかわかんなかったしな」


ようやくひと心地ついたという飯島に申し訳なさが湧いてくる。


この半月ほどは俺たちの件でずっと胃を痛めていただろうと思うと申し訳なさが倍増である。


「金羊国にはいつ戻るんだ?」


「俺は今から戻ってもいいんだが、どうする?」


木栖は「いつでもいい」と答えてくる。


今回の件ではいつものすまし顔以外の顔もちょこちょこ見た気がする。


「……真柴、俺は今回お前らにほんっっっっっとに振り回された」


「俺もそう思う」


「だから今日ぐらいは俺の食いたいもん奢ってくれないか?」




****




そうして連れてこられたのは、銀座にある有名ビアホールだった。


「まだ仕事中じゃないのか?」


「有給取った。ちょうど金曜だし有休も残ってたからさ」


何の躊躇もなく大ジョッキの黒ラベルとローストビーフ・フィッシュアンドチップス・ソーセージという酒のつまみを注文してくる。


どうする?と木栖を見るとと、本人も酒を飲むか飲まないかで揺らいでいるように見える。


店員さんが俺たちのほうを向いた。ええい、やったれ!


「白穂乃香に、煮込みとごぼうのフライ、あとアイスバインを」


飲んでいいぞと言う目をすると木栖も頷いた。


「……ナポリタンと、ノンアルコールビールで」


「ノンアルコールか」


「なんとなく昼からガッツリ飲むことに罪悪感がな」


いつ呼び出されるかわからない職業柄ゆえの葛藤があったらしい。


俺もノンアルコールで良かった気がしてきたが覆水盆に返らず、こぼしたミルクは戻らない。もう俺のビールは注文されている。


「黒ラベルと白穂乃香、アルコールフリーお持ちしました」


さっそく3人分の飲み物が届く。さすがビアホール、酒が出るのが早い。


「俺もようやく肩の荷が下りたしこれでゆっくり酒が飲めるわ」


そう言ってジョッキのビールを一気に半分ほど飲み干した飯島は「旨い!」と笑う。


俺たちも小さく乾杯して一口飲むと、思わず頬が緩む。


「……長い後始末だったな」


「本当にな」

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