プロローグ
どうも初めましてゆゆゆのビーストです!!あまりもう一つの作品の筆が進まないのでこちらを先に投稿します!!
プロローグ
異世界・某所
なんでだ!!なんで…こんなことに…
「俺はこんなことの為にここに来たんじゃない!!」
そこには座り込み必死に呼び起こそうとする人がいた。その呼びかけを受けている男は血にまみれ血溜まりができている場所に横たわっていた。その男は今にも死んでしまいそうな出血量で、まだ息があるのが不思議なくらいの状態だ。
「どうしてなんだ…どうして…!!」
もう一方の男が必死に呼びかけているが反応は、僅かなものだ。彼はもう長くない。そう頭では理解できても感情が追いつかないのだ、彼は必死に呼びかける。
「どうして俺のことを庇ったんだ…俺のことなんて気にしなければ良かったのに…!!」
「そ…そんなこ…とできる…訳ないだ…ろ…君は…泣き虫、だな…でも、君なら…」
「話さなくて良い!!もうやめてくれ……頼む…!!これ以上、話せば…もう…」
「話させて…くれ、親友…からの…お願い…だ…!!」
「わ、わかった!!聞くから頼む!!じっとしていてくれ!!」
「君には…いつ、も振り回さ…れていたけ…どそれでも楽しくて…」
「本当に…君との…思い出は…最高だっ、たよ…ありがとう…」
それきり彼は目を閉じた。呼吸も止まり、彼は一生を終えた。
「ううっ…クソ…クソォォ!!」
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現代・日本
この世界に、激震が走った。フルダイブ型のVRMMOの発売である。これによりゲームの形が大きく変わった。
ユーザーは、仮想ではあるものの自分自身で感じ行動できるようになり、五感をゲーム内で感じることができるようになったのだ。
さらにコントローラーによるゲームスタイルから、直でゲーム内にアクセスし仮想の肉体による、直での操作するスタイルへと変わっていった。
しかし、あくまで機器が開発されただけの状態であり、ゲームタイトルに於いてはまだ未完成の状態に等しい状態だった。
そのためそのゲームの開発・実験のため、一般人から数十人のテストプレイヤーを募集した。
これの告知と同時に日本中のゲームプレイヤーは一斉に応募した。熱狂は凄まじくサイトのサーバーが3回もダウンするほどだった。
「ヤバっ、早く行かないとイベントに遅れる!!」
そして、テストプレイに当選したプレイヤー達は、フルダイブ機器によるテストプレイを行った。ほとんどのプレイヤーは、自宅に試作品のゲームが送られて自宅でプレイしている。しかし一部のプレイヤーは安全性のチェックも兼ねてゲーム会社の本社でプレイすることになっており、かなりの頻度で試験的なゲームのプレイが行われている。
そのうちの1人が、
「ふー、間に合った…」
「やぁ、時間ギリギリだね、和也くん」
「いやいや、時間に細か過ぎるでしょ、菊谷さん…」
「いや、業務はしっかりこなさないといけないでしょ?そのためにも、時間通りに来てください。」
彼だ、名前は桐谷和也といい高校2年性だ。彼はヘイヘイと適当に返事を言ったあと、直ぐに準備に取り掛かった。
彼は、本社でプレイするプレイヤーに選ばれた。彼は良くも悪くも悪運が強く本来であればテストプレイヤーには選ばれないはずだった所を、人体に影響が出ないかの安全性を再度証明しなければいけなくなったゲーム企業の思惑と彼のコネとゲーム愛によって、どうにかテストプレイヤーとして本社でのプレイが条件という形でプレイできるようになったのだ。
実験のために彼はベットへ寝かされバイタルチェックのための機器を体に付けた。これは、プレイヤーの安全を管理するための措置であり、危険は無いはずだが油断の結果実験失敗となっては、笑いものでは済まない。なのでこの処置を行っている。そして、プレイするための機器があるのはまるで、病室のような印象を抱く白色の部屋にある。そこから、かなり健康状態に気を使っているのが分かる。
「しっかり機器は付けたかい?」
「もちろんですよ~。もう何ヶ月になるんですか……」
「前にそう言って忘れたことがあるだろ?」
「うっ…」
まぁ、いいさと菊谷がそう言うと、
「まったく、こんな重要なフルダイブ機に君をダイブさせる日が来るとは……」
「本当にまさか、次世代型の新しいフルダイブ機にもダイブできるなんて思わなかったな。あっ、そうそう菊谷さんこの次世代型の実験機って今回が試運転なんですよね?」
「あぁ、そうだよ、これの実験結果次第では、現在のフルダイブ機も含めて再度、疑念の目が向けられてしまうだろう。」
「本当ですか?それじゃあ頑張らないと」
現在彼がプレイしようとしているのは、次世代型のフルダイブ機であり、現在の他のテストプレヤーがプレイしているものとは違いかなり大型の機器である。そして、医療用のフルダイブ機の試験機でもあり、ゲーム内での五感をよりリアルに感じる事ができる最新技術の結晶である。
さらにこれにはもう一つ試験的装置がついており、それが体感速度の加速であり、ゲーム内での体感時間を加速させ長期間プレイをしても現実では、数分しか経ってないという事ができる画期的な実験要素である。
「さて、そろそろ稼働する頃だ。こっちはデータ収集をするからしっかりプレイしてくれよ?」
わかってますよ、と言うと実験を開始するブザーがなり彼はプレイを開始した。
「ログイン開始!!」
吸い込まれるような感覚を感じる。いつもの感覚だ、目の前にはいつも存在するホーム画面が出てきた。そこにあるスタートのボタンを押すといつものゲーム前のLoadingの文字が出てきた。
しかし、いつもの実験ならすぐにゲームに入れるのだがどうもおかしい。初期画面も出ない、ホーム画面にも戻らない。
「ん?バグか?どうしたんだ?とりあえず接続切るか……」
と、ログアウトボタンを押そうとするものの、あったはずのボタンが消えている。それどころかログアウトボタンだけでなく画面にあるはずの多くの物が消えている。
「おいおい!?嘘だろ……?バグにしても酷すぎないか?」
「もしかして…誰かのイタズラか?それともそういう仕様か?」
彼がそう言っていると、突如電気が走ったような音と同時に画面全体が黒色に染まる。まるで墨のような漆黒に包まれる。彼は突如のことにパニックを起こした。
「おい!!どうしたんだよ!!こんなこと聞いてないぞ!!菊谷さんよ!!」
全くログアウトする気配もないまま状況はますます悪化していく。
「おい!!ログアウト!!ログアウト!!なんで……なんコマンドも使えないんだよ!!なんで!!なんで!!」
そして意識も沈んでいく、深い闇に取り込まれるかのように、
「うっ……嘘…だろ……なんで……!!なん…で……」
そのまま意識は沈んだ。