討伐後、目覚めたのである。
ふわふわと、柔らかい感じがする…。
「一度に……と貧血で……。」
「それで……は…。」
聞き覚えのある声がする。
(眩しい…。)
「…ツェル?」
起きあがろうと、起きたことに気づいてくれたらしく、殿下が近くで支えてくれた。
「あの、私どのくらい寝てたんですか?」
「…3日だな。」
「…マジですか…。」
状況から察するに、私は豪華な個室に運ばれ、殿下から回復魔法をかけられたにも関わらず医者までつけられていいベットに寝させられていたらしい…。
しかも…
「あの、着替えは…。」
身体が綺麗にされて、着替えまでさせられているっぽいが…。
「安心して。私が責任を持って全部したわ。」
すぐに近くにいたお医者さんが答えてくれた。
いかにもキャリアウーマンと言ったカッコいい感じの女性だ。
「とにかく、物凄い無茶をしたのだから、ゆっくり休みなさい。必要なものは王子に言うと良いわ。私は王城に戻るから。」
「ありがとうございました…。」
「ええ。」
女医さんが部屋から出て行くと、支えてくれている殿下の腕を掴み、そのまま抱きついた。
(安心する…。)
「…遅くなって、本当に悪かった…。」
抱き返して、背中を撫でられる。
「生きてますから、遅くなかったですよ。助けてくださって、ありがとうございました…。それより、もしかして3日間ずっと見ててくれたんですか?」
「流石に着替えの時は出ていたが。」
俺もそのくらいの常識はある、と言葉を付け足すが、…。
「…お仕事の方を気にしていたんですが…。」
「ここに持ってきてもらってた。」
「ルシアは殿下の婚約者ではありませんが、良いんですか?」
「ルドルフとマリッサくらいだな、俺がここにずっといることを知っているのは。」
「…そうですか…。いや、変な噂になることはないですけど、お二人に不誠実な人だと思われますよ!?」
「あまり、声を上げると身体に触るぞ。」
「…回復魔法でほぼほぼ回復してますよ…。」
「……離れるのが怖いんだ…。俺がいれば、基本何があっても守れるから。」
…かなり心配させてしまったらしい…。
「…ちゃんと仕事はしてくださいね…。」
指摘しにくくなり、気持ちは嬉しいのもあって上手く拒否できず、とりあえず近くにいてもらうことにした。
「今回のこれが、物語補正というやつでしょうね。本来、聖女が他の生徒会メンバー全員と一緒に一班になって火龍と戦う攻略対象を守るための魔法を使うことと、例年よりも魔物の凶暴化が進んでいたことによる負傷者を治すことが今回のイベントの肝らしかったとマリッサさんからは聞いていましたが、全体的に物語よりも生徒会メンバーのレベルが高すぎぎたのではないでしょうか…。」
「そうだな。ツェルの班に火龍、俺の班に水龍、聖女の班に地龍、他の班はサラマンダーや大型のウルフの群れだったり、例年より高い、で済むレベルではないだろう。国民にも、異常事態として説明した。とはいえ、死者が出ていないこともあって無関係者は深刻に感じていないようだが。」
「え、ドラゴン3体…?伝説みたいな話ですね!?全部倒したんですか!?」
「ああ。水龍のレベルが一番高かったな。班の強さに応じて魔物の強さが違った。」
この人本当にチートなんだな…。
「物語の補正については、色々と話した方が良いかもしれないですね。とりあえず、補正の中心にいるマリッサさんやアルマも交えて作戦会議や情報交換をしたいです。可能であれば、ここに呼んで貰えませんか?」
「わかった。明日その辺の奴らを呼び出そう。」
「ありがとうございます。」




