生徒会役員顔合わせ
まだ入学して間もない秋のこの頃。
「…ぷっ。くっ、ふふ。」
豪華な生徒会室で、私は深くフードを被ったまま、肩を震わしていた。
「…何で笑ってるのかなぁ?」
真横には笑っているのに目が全く笑っていない魔王が座っている。
ついでに、その魔王の左隣にはバルト・ロセンシアが座っていて、正面にはマリッサさんが座っている。
そう、今日は、王国の誇るこの学園の生徒会の顔合わせだ。
「…『君の瞳に乾杯。』」
ぼそっと呟いた。
「それ、ほんとトラウマだからやめて。」
私の正面のマリッサさんは、フランツとバルトを凝視している。
トントントンッ。カチャ。
「…全員揃っているな。」
ルドルフと殿下と、後1人モラン・アクトールが入ってきた。
「もちろんよ、ルドルフ。」
ルドルフはマリッサに対して優秀だ、と微笑んでその横に座り、殿下は生徒会長用のデスクの椅子に、モランはルドルフの隣に座った。
ソファーの真ん中に座っていたマリッサがデスク側につめたので、私の正面はマリッサになった。
「……今日は顔合わせと、今後の話をするために呼んだ。とりあえず、紹介だな。生徒会長のフランツ・アマリアだ。」
「副会長のルドルフ・マクミリアンだ。」
「同じく副会長のモラン・アクトールだよ。去年は生徒会長だったってこともあって、この仕事をやらせてもらってまーす。」
…なんかチャラいな。
「広報のマリッサ・マズルカよ!オーホッホッ!…あ、また悪役令嬢になってしまったわ。」
「…俺は庶務のバルト・ロセンシアだ!」
…だめだバルトの名前を聞くと、なんでこんな面白いんだろ。
「…今期から書記になりました、ルシアです。」
「今期から会計になったカリスト…カリスト・ボルタニアです。」
カリストの学校のことはモラン以外は全員前から聞いていたらしい。
「…ボルタニア!?皇太子じゃん!!…って、あれ?みんな知ってたの?これ問題ないの、フランツ君よ。」
「…ああ。大丈夫だ。」
「…へぇ〜。とりま、よろしく〜。」
「「よろしくお願いします。」」
「書記と会計は分担してやってたから、来てくれると結構助かるな。」
「悪かったな。生徒会メンバーを選抜するほど余裕がなかったきからな。」
「…そりゃそうだろ。我が国自慢の王太子なんだ、余裕があったら可笑しい。」
…生徒会内だと、かなり学生っぽい喋り方をするんだな、二重人格は。
「後、生徒会で話すことって、次の行事?」
「ああ。来週の魔物狩りのことだ。」
…異世界だと魔物の討伐がいちご狩りみたいなノリだな。
「…そんないちご狩りみたいなノリで言えるのはごく一部だけよ。」
「…いちご狩り?」
ああ、この世界に食材を遊びで取りに行く文化はないもんな。このノリが理解できるのはマリッサくらいだろうか。
「…とりあえず、資料だ。」
資料は魔法で配られた。空中から目の前に飛んでくるのは少し感動…。




