第一回魔王会議②
「…ふふっ。」
…全く、怖いやつだ。
まさかこの状況で笑うなんて。
「…それだけメンタルが強ければ、魔王になっても問題ないですね、カリストさん。」
アルマやバルの反応から、魔王は身内だと考えた。思った以上に、拒絶反応が大きいから。身内といえば、クルド、アルマ、バル、カリスト、他の情報屋のメンバー、バルが関わったクーデターの時のメンバーだ。
アルマは、私がツェルシア・ノーランドだと知らないから、ツェルシアが魔王とは考えにくい。
クルドみたいなキャラは魔王にならないだろうな、というのは置いておいても、クルド、アルマ、バルに関して言えば、物語の主人公が苦戦するほど魔力が強くない。いくら魔王になった後に、聖剣以外では殺さず、魔力量も増えると言っても、歴史的に、代々魔王になるのは魔王たるポテンシャルにあった器だ。
クーデターのメンバーは基本的にメインキャラクター。討伐のために力を合わせるような展開なのに仲間を殺したりはしないだろう。
強いて言えば、マリッサだ。魔力的にも申し分なく、ヒロインの邪魔はしても、仲間にはならないはずのキャラクター。ただ、マリッサは創造主から好かれているようだし、悪役令嬢が魔王というのは、小説のキャラ的に期待を寄せられるはずの魔王のカッコよさにかける気がする。
身内のなかで魔王役が一番らしいのが、カリストだ。
「…なんで、気づいたの?」
「まぁあね、話の文脈や、君達の視線を見ればわかるかな。」
「…お前は、どう思ったんだ。自分が、魔王になると知って。」
バルが今までにないくらい辛そうな顔で言った。
「対策を立てて、魔王にならないようにしたいとは思ったかな。何というか、正直現実味がなくてね。」
なんというか、ぼんやりしてるやつだな。
「…まずは、魔王が誰かの故意によるものか、自然になってしまうものか、後は、魔王になる条件とか、いろいろ研究してみましょう。」
「…どうやって?」
「…本当は言うつもりはなかったので、詳しいことは言えませんが、今日、ライド・カルフェスの部屋を見に行きました。どうやら彼は魔王の研究を行なっていたようで。色々参考になりそうな資料が沢山ありました。」
「…!」
「…魔王発生イベントのない物語の方の補正を利用しながら回避する一方で、研究は進めておきましょう。」
「…うん!!」「ああ!!」
…何という若者の笑顔。眩しいぜ!
「…ルシア。」
「なんです?」
「ありがとう。そんな大層なもの、扱いたくない方だろ。」
「…別に。魔王になるのが必ずしもあんたってわけじゃないでしょ。」




