入学式
「あれ、お帰り。」
「ルシア!?戻って来たの!?」
殿下とは途中で別れ、講堂の席に座ると、少し離れたところからアルマが来た。ちなみにバルはかなり離れた席だ。
「…すみませんでした。迷惑をお掛けして。」
左隣には生徒会の一部が並んでいる。
生徒会長である殿下と、副会長のルドルフは舞台裏の方にいるらしい。
「大丈夫だけど、何があったの?」
「…緊張して。」
「……一番真ん中だから?」
「…………はい。そうですね。」
誤魔化しておこう。
「なんで、私が真ん中なんでしょうか?魔法でも武力でも満点が確約されているカリストが真ん中だと思っていたんですが。」
カリストは私の右隣である。
「それは、この学校は第一に学力主義であるからかな。あとは、生徒会長がそうしたかったんじゃないの?」
「……カリストさん、私、今度マリッサさんに挨拶しようと思います。」
「ごめん。悪かったから許して。」
「でも、ルシアとしては、王太子の隣なんて、チャンスなんじゃない?」
「が、頑張ります。」
「あ、そろそろ時間かな。私席に行くね。」
アルマの席はカリストとの間に1人挟んだところだ。
成績上位者4名と生徒会メンバーの椅子は少しいい椅子であり、幅が広いので結構遠い。
アルマとカリストの間に座っているのは、さらさらの薄い茶髪と、黒い目の女の子だった。
「…。」
時間になると、一斉に会場が静かになった。
時間になった、と言うよりは、学園長が前に立ったからだろうか。
「これより、秋期入学式を始める。」
舞台の脇から、教師が風魔法を用いて司会をする。
「…以上50名の入学を認める。」
秋期は入学募集の人数が少ない。
とはいえ、優秀なメンバーは春期に入学しているので、難易度は変わらない。
「次に、生徒会長より、入試の上位者の発表。」
司会がそういうと、生徒会長が舞台裏から出てくる。
(なんかもう、歩き方が違うよな…。)
式は春の入学式に比べても凄く質素で地味であるのにも関わらず、殿下が出てくる時だけは物凄い豪華な感じだ。
舞台上で一礼すると、しゅぱっと手をあげる。
すると、舞台裏から大きな紙を持った人が出てきて、貼り付ける。
「順位表と点数…。」
上位順位者の順位と上位科目においての点数が記入されていた。
「…うそだろ!?」
「いや、しかしあれは…。」
「庶民だろ?しかも名字もない。ズルしたに決まっている。」
「だが、学園のテストでどうやってズルをするんだ!?」
「…いやしかし…。」
フード、外そうと思ってたけど、被ったままにしておこう。なんか怖いし。
「…今期の上位者の成績は歴代でも類を見ないほどレベルが高く、生徒会長として優秀な生徒が入ってきたことを嬉しく思う。また、テスト中のカンニング行為については行われていないことを生徒会が確認済みだ。根拠のない憶測で行動しないように。」
殿下が口を開いたら、すぐに静まった。
「では、上位の成績を発表する。
総合 1位 カリスト 2752点
2位 アキ・サマシロ 2077点
3位 アルマ 1843点」
こんな感じで発表されるのか…。
カリストは一応お忍びで来ているから、生徒の前ではフルネームで発表されないのかな。
「学力 1位 ルシア 1000点
2位 カリスト 752点
3位 アキ・サマシロ 621 点
魔力 1位 アキ・サマシロ 1000点
カリスト 1000点
2位 ルシア 572点
武力 1位 カリスト 1000点
2位 バル 950点
3位 アルマ 900点
では、代表として学力1位ルシア殿、壇上に上がってもらえるか。」
名前を呼ぶ時にこちらをみて微笑まれた。
死んだ。
脚をがくがく震わせながら壇上に登る。
「おめでとう。」
壇上に登るといわゆるあの、西洋風のお洒落な方の一礼をし、賞状やら何やらを受け取る。
とにかく緊張して、何があったか、よく覚えていないが、とりあえずちゃんとやってから席に座ったようで、いつのまにか学園長の長話を聞き終え、諸連絡に移っていた。
「…生徒会から、一点。先程紹介した上位者の中で生徒会メンバーに立候補したいというものは放課後、生徒会室前に来てくれ。」
諸連絡が終わると、一気に解散の流れになった。




