表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/60

作戦の解説 (語り手:ツェルシア)


 戦争後、移動中のこと。


「まさか、今回の戦争の作戦は、全てツェルシア嬢が立てていたのか!?」


 今、馬車には、殿下、私、ルドルフが乗っている。

 私が作戦立案者であることを、父に知られては困る。本当は話したくないが、流石に殿下の側近に話さないわけにはいかない。


「ああ。あの演説もな。」


 私達の空気感から、なんとなく察したルドルフは、さすが将来の宰相だと思った。


「しかし、何故、勝てたんだ?ただ作戦に従っていたから、裏事情を知らないんだが。」


 純粋な好奇心が見てとれる。

 

 殿下が、話してやれ、と目配せをされたので、話すことにした。


「話しましょう。そうですね、野営では必ず焚き火をしますよね。兵の中には動物の肉を取って焼くものもいたでしょう。とくに、帝国の騎士団長は狩猟がお得意とか。」


 帝国の重要人物の情報は見ておくに越したことはない。ささえな好みすらも把握しておいているのは、ルドルフも同様だ。


「…焚き火なら俺たちもしなかったか?」

「ええ。私達は持ち込んだウダイカンバ、ナナカマドや、現地に生えていたアカシアなどの樹木を燃やしたでしょう?焚き火係は私の指示のもとに取ってくる木を選ぶことになっていたので、焚き火に関してはきちんと管理されていたんです。」


 私も戦場にいて、何もしなかった訳ではない。戦場で調理を行なったのも、私だ。

 結構好評で嬉しかった。


 ウダイガンバは勢いよく燃えるので着火剤に向き、ナナカマドは火持ちが良い。この二つの木は、兵糧を削ってでも持ってくるべきと判断し、加工したものを持ってきたのだ。

 アカシアは生木でもよく燃えるので、あまりたくさんは持ってこれなかった分の補強のために用いた。

 

「焚き火の管理はツェルシア殿がしてたんだな。」

「はい。魔法のあるこの世界ではあまり需要がなく、研究の進んでいないことですが、この辺りにはやけに同じような色が咲いていると思いませんか?」

「ああ、あの、白やピンクの花か。」

「はい。あの花はキョウチクトウという木で、5年前ほどから殿下に頼んで帝国と戦争が起きた時に陣が置かれそうなところに秘密裏に大量に植えて貰った木です。キョウチクトウはどの部分にも毒があり、燃やすと毒が空気中に舞い、吸い込んでしまうことになります。」

「…!」


 そういうことか、というように目を見開く。


「密偵の方にキョウチクトウを焚き火に使う様に指示し、彼らにはこっそり逃げてこいと言いました。毒は食材にも入り込み、どんどん毒を取り込んでいった訳です。そして、食材が毒だと勘違いし、持ってきた兵糧ですら燃やす。どんどん毒を取り込み、戦わずして大幅に敵兵を削れます。食事が出来ず、空腹の兵が明日に備えて寝ようとして、漸く眠れるだろう時間、朝方に、昼間眠らせておいた少数の兵で奇襲をかける。というのが、作戦でした。しかし、ここまで上手くいったのは、殿下の指揮が良かったからです。」


 丁度、7月のキョウチクトウの咲く季節に実行できたのは良かった。花が咲く時期だから、密偵に支持するにはわかりやすかった。


 色々な条件があったからこそ、勝てたのだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ