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勉強会中



「聖女が湖に現れたらしいね。」


 お昼のとても暑い日のこと。

 とは言っても、地下街には日が入らないが。


「…そうなんですか?」


 もう、そんな時期なのか。


「うん。学園に入学するらしい。私が読んでいた物語のヒロインも同時期に入学するっぽいんだけど、本来は来年の春なんだよね。聖女の影響か、あるいはヒロインが転生者なのか。」

「俺は転生者説を推すな!」


 バシッ!


「いった!」


 アルマとの話にバルが乗ってくると、アルマはバルの頭をハリセンで躊躇せずにはたいた。

 凄い音がした…。


「だ、大丈夫ですか?」

「…凄い痛いな。」

「ルシア、バルを甘やかしちゃダメだよ。バル、さっさと勉強する!問題解く!」


 バルとアルマに学力テストを受けさせたところあんまりバルの点数が酷いので、みんなでバルの勉強を見ることになった。

 数学はもうどうしようもなく出来ないから諦め、国語と歴史、地理をやることになった。

 

 学園の入試の教科は数学、国語、歴史、地理のみであり、1割取れれば十分だから、数学を捨てても受かるだろうと言うことだ。前いた世界と違って理科系の進んでいない文明はバルにとっては少しばかり優しい世界なんだな。


「…俺には、…俺には、ジョンの考えていることなんかわからないんだー!!!」


 バルはいきなり走り出し、逃げようとするが、ドアに仕掛けてあったトラップにかかって転んだ。


「…バルさん、勉強普通にしましょう。国語はとりあえずわかるところだけ解いて、あとは答えと解説をしっかり読めばいいので。」

「…あ、ああ。」


 頭をガシガシと撫でながらバルが起き上がる。


「ここのジョンの心情ですが、このセリフの前の文を見れば良いんですよ。」

「…あー、ちゃんと読んでいなかった!これはイだな?」

「そうです。対象としている文の周りを読むと良いですよ。落ち着いてやりましょう。」

「わかった!」


 勉強に集中しだしたバルを見てホッとしていると、アルマが話しかけてきた。


「…うまく躾けてるね。」

「バルさんは、単細胞というか、やりやすいですからね。」

「確かに単細胞よね。しかも…


「ブハッハッハ!!ヒィー!フッハハハハハ!!」


 コソコソ話していると突然外から凄い笑い声が聞こえてきた。


「…え、外のクルドだよね?」

「っぽいです、ね?」


 あんまり大きい笑い声なので、少しかたまった。

 何があったらそんな大爆笑するんだ?


「クルドが帰って来たのか!?と言うことは成功したのか!」

「え、何が?」

「何って、それは…。」


 バンッ!

 勢いよくドアが開く。


「帝国の支配者が帰ったぞ、お前ら!」


 …帝国の支配者?




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