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ミクラス・マルザスの大罪3



 あの後、ミクラス達と別れた私達は、話し合い、夜にもう一度教会へ行ってみることにした。


「…無事に侵入できたな。」

「うん。」


 夜の女神像は、なんとなく恐怖を煽られるな…。


 魔力を使って魔法陣を空中に描く。


「凄いな。」

「えへへ。」


 空中に魔法陣を描くのは、結構難しく、膨大な魔力と実力がないと出来ない。日頃の訓練の成果だ。


 普通魔法陣は、鉛筆とか、インクなどを使って目にみえるように描き、そこに魔力を流し込んで使用する。しかし、魔法陣を描き込む場所もないし、内緒でやっているので、魔力を一時的にインクのようにして魔法陣を描いているのだ。また、鉛筆で描いた魔法陣だと、使用前に暗号を入れないと誰でも一定量の魔力を流し込めば使えてしまうが、この場合は私の魔力以外では使えない。万が一空間に魔法陣を忘れてしまっても、問題ないのだ。


「出来た。浮かび上がると思うから、これに乗って、女神像の顔のところまで行こう。」


 梯子なくても、高いところに手が届くのは、便利よね。


「ああ。」


 魔法陣が浮かび上がる。


「右目に…これは、魔力吸収の陣ね。」

「ミクラスの魔力は本来ここで吸収されるはずだったのだろう。この奥に何かある可能性が高いな。」

「吸収の陣は消すとして、この奥というと、女神の目玉の奥ということ…?」

「魔力の道筋的にそうだろう。とりあえず、これを消そう。」


 魔法陣を破壊するには膨大な魔力を流すか、魔法陣そのものを消してしまうという2通りがある。

 この魔法陣はフリーの魔法陣でないので、インクを消しても魔力の後が残る。


 新たに強力な吸収陣を用いて逆に魔力を吸収して完全に無くす。魔法陣の効力を無くしたことに気付かれないため、インクはそのままにした方が良いと、ルドルフに止められ、代わりに上から文字を加えて無害な魔法陣に直した。


「消せたな。吸収陣さえ消して仕舞えば、魔力の流れも安定するから、目玉を一時的に取り除けるな。」

「うん。…これはっ!」

「…元から大量の魔力が込められている強制吸収陣…!?」


 基本的な吸収魔法陣は魔力の放出があったときにそれを横から攫って吸収するものだ。しかし、強制吸収陣は起動させた途端に強制的に生命体の魔力を奪いとる。そして、魔力は完全に空になったら死ぬ。


「魔法陣から分析すると、空間魔法の強い系統の魔力保持者の魔力を強い順に吸収する陣だろう。」


 空間魔法は、結界や空間を歪めること得意分野とする分野で使える人はかなり重宝される。


「…ミリアさんは空間魔法が使えるってこと!?」

「かもしれないな。ただ、魔力量的に少なければ、一般的な貴族より使えないだろう。」


 下にあった吸収陣を消し、安心した私達はバレないように急いで帰った。



 しかし…


「ミリア!ミリア!」


 翌朝、私達が見たのは、教会で血まみれになったミクラスと、息をひきとったミリアだった。






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