ミクラス・マルザスの大罪2
「ここが、アステナ大聖堂…。」
王国一の教会でありながら、貴族だけでなく、平民もよく出入りする場所だ。この教会の中では、いかなる身分の人間も、皆平等に扱われる。
「とりあえず、礼拝しながら建物の中を見てみよう。」
「そうだね。」
やっぱり、凄く綺麗な建物だなぁ…。
大貴族や大商人もここで結婚式をするらしいし…。
「…結婚…。」
「…え?はっ?//」
「…あ、ち、違うの!そうじゃなくて!」
「楽しみだな?」
「…////」
もう!
「…早く中見るわよ!」
「ああ。」
ずんずんと進む。
「…そうよ、やっぱりここだわ!真っ白だもの!て、きゃっ!」
「わぁっ!」
ずんずん進んでいると、誰かにぶつかった。
「ご、ごめんなさい!」
私と同じ歳くらいの女の子で、可愛らしい顔立ちをしている。…なんとなく、見覚えがあるような…。
「ぶつかってしまったのは、私の方だわ。私こそ、ちゃんと前を見ていなくて、ごめんなさい。」
「い、いえいえ!そんな!」
栗色の髪と黒い目の可愛い顔が、困ったように眉を寄せている。
「…ミリア!」
誰かが走ってくる。
黄緑色の髪に金色の瞳…。
(もしかして…!?)
「ミクラス!」
「大丈夫?」
「うん!ぶつかったのが、親切な方だったから。」
ミクラス・マルザス…!!!
「マリッサ?」
「…ルドルフ、彼よ。」
私がそういうと、ルドルフは顔をハッとさせる。
「…ちょっと良いかな?」
そしてすぐに営業スマイルを全面に出して、前の二人に声をかけた。
…ゲームじゃルドルフは腹黒キャラだからなぁ。
こういう時実感する。
「なんでしょうか?」
「君たちは、結構教会に来るのかい?」
「…そうだけど、何か?」
女の子を庇うようにして、ミクラスが答える。
「実は私は父親から平民の教会などの建物の利用について調べて来るように言われていてね。もし良かったら、君たちがどういう風に教会を利用してるか知りたいんだ。」
真っ赤な嘘だ…。
「なんでそんなこと…。」
「まぁ、いいじゃない!これから、私達は教会をまわるところなんです。ついて来られますか?」
「ありがとう。助かるよ。」
2人の後を歩いていると、ボソッとルドルフが話しかけてくる。
「基本的には教会には防御魔法しかないはずなんだが、もしかすると、何か魔法陣が張られているかもしれない。」
「そうね。ミクラスの魔法の接触で反応しそうな魔法陣を見つけて破壊して仕舞えば、基本的な魔力暴走だけで済むから、人を殺してしまうことはない筈だわ。」
前の2人は進み、奥にある女神像に祈り始めた。
私達も祈るフリをしながら周りを見ていた。
2人が祈り終え、顔を上げるのと同時に私たちも顔を上げる。
本来はマジマジと見てはいけない女神像の顔が目に入る。
「…あれ!」
「どうした?」
「女神像の目に魔法陣が描かれている!普通、そんなことないよね!?」
思わず女神の顔を凝視してしまった。
「どうかしましたか?」
ミクラスが怪訝そうな顔で聞いてきた。
「いや、なんでもないよ。」




