ミクラス・マルザスの大罪1
――3年前、
「不味いわ!もうそろそろ、ミクラス・マルザスが覚醒する頃だわ!」
どうしていつも直前になって気づくのかしら?
学園に入学する3年前の夏!
ミクラス・マルザスが覚醒する時期じゃない!
「ミクラス・マルザス?」
「ゲームでは、学園に入学していた魔法の天才よ。今年の夏、だから、もうそろそろ魔法の力が覚醒するはず。」
「覚醒?というと、後天的に魔力を得る特殊なケースのことかい?」
「覚醒って今までにもあった人がいるの?」
ゲームのことしか意識してなかったけど、突然覚醒するなんてたしかに不思議だ。
そもそも魔法が使えたり、転生したり不思議なことにだらけで気にしていなかったけれど。
「まぁ、歴史上に数人、というレベルだな。何故かは分かっていないがいきなり強力な魔法を使えるようになることがあるらしい。一般的な王宮魔導士が5人でかかっても叶わないレベルの強さだと聞いたことがある。」
「…なんでそんなに詳しいのよ。」
私だって魔法は赤ちゃんの時からずっとやってるのに、そんな話知らない。
「周りに君やフランツがいるからな。特にフランツは歴史上で見てもかなりの実力者だ。歴史上の異例の元には異例の情報が集まってくるものだ。」
「へぇ。」
「で、ミクラス・マルザスの何が問題なんだ?」
「ミクラスは、覚醒した時に、魔力が暴走して、近くにあった魔法陣に魔力が注がれてしまうの。たまたま暗号の埋め込まれていないフリーの魔法陣だったから、反応して、魔法が発生して、その魔法で大切な幼馴染を攻撃して、殺してしまうの。」
「…人を殺すほど危険な魔法に、何故暗号をかけていないんだ?」
「それはわからない。前の世界でゲームをしていた時は、普通魔法陣に暗号するという感覚がなかったから、気にしていなかったんだけど、おかしいよね?」
「その事件は、何処でおこったのかわかるかい?」
「…詳しい説明はなかったけど…床が白い建物のなかだった気がする…。妙に赤い血が綺麗に描かれてて。」
「…平民の入れる場所で、白い床の場所、か。もしかしたら、教会じゃないか?」
「教会?」
確かに、平民でも入れるし、それっぽい。
「で、そいつはどのあたりに住んでるかわかる?」
「…多分、王都から遠くないと思う。」
「じゃあ、アステナ大聖堂じゃないか?あそこは平民もよく祈りに行っているようだから。行ってみるか。」




