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演説の強制力


 


「帝国は、我が国に多大な財を引き渡すように要求し、さもなければ戦争を起こすと脅迫して来た!」


 王太子の活躍により、財政が立て直された王国に反して、時の皇帝ペンギン3世や貴族の散財により、帝国の財政は大きく傾き、民の反乱が各地で起きていた。

 帝国は財政難を属国から財を奪う事で改善しようとし、アマリア王国に目をつけたのだ。


 アマリア国王は、民に対して帝国の横暴を訴え、徴兵令を出して、軍を立てるつもりでいた。


 王太子の支持の向上に伴い、王家の支持も上がり、国民も王の指示に従うだろうと、そういう作戦だった。


「ならば、陛下。私が軍を率いて帝国軍を退かせて見せましょう。」


 しかし、思わぬところに伏兵がいた。


 その、王太子である。


「私には、国と国民を守る義務がある!帝国の横暴で国民の財を税収の増加によって奪うわけにはいくまい!陛下、私に王国軍を背負わせてください!既存の騎士団800名を連れ、大勝利を持ち帰って見せましょう!」


「…へ?」


 本来、王は国民の前で演説するつもりであった。

つまり、この場には多くの国民がいた。


「さすが殿下!!」

「かっこいいわ!」


 国民達は、王太子の勇姿に歓喜した。


「フランツ、あなた何を…!」


 咎めようとする王妃を王は止める。

 国民の前で、勇敢に戦おうとする王太子を止めるわけにはいかない。

 つまりこれは、王太子が言い始めた時点で、決定事項であった。


「よかろう、そなたに任せる!」


 ありたけの声で王は叫んだ。

 やってしまったという、後悔で、王は涙を流す。


 父親の顔を隠せない王に国民は強く、親子の再会を願い、そして静まった。


「一つ、陛下にお願いがございます。」


 その、王太子の願いに国民は耳を傾ける。


「私の成功の横には必ず私の姫…婚約者であるツェルシア・ノーランド公爵令嬢がいてくれました。私は、戦場に彼女を連れて行く許しが欲しいのです!」


 これから戦場に立つ王太子の熱い恋に、国民は酔いしれる。



「ありえない!フランツ、無理に決まっているわ!」


 大演説の後、王太子の側近で、宰相の息子であるルドルフ・マクミリアン公爵令息の婚約者マリッサ・マズルカ公爵令嬢は王太子の執務室で王太子に抗議していた。


「ああ言ってしまった以上、やるしかない…が、マリッサ、君の素晴らしい発想力で、戦争を勝利に導かないか?」


 荒ぶるマリッサに対して、王太子の横で業務をこなすルドルフが答える。


「無理よ!爆弾とかが作れれば良いかもしれないけど、私は作り方を知らないし…そもそも、戦争には反対だわ!」


 転生者であり、さまざまな発想をし、王や王妃に国の宝と称されたマリッサであっても、戦争には勝ち目がないと考えた。


「どうすればいいんだ…!」




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