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鈍感娘



 コンコンッ。


「ルシアー!入るよー!」


 ドアを開ける。


「紹介しよう、これがうちのトップの…なんでそんな目を見開いてるの?」


 ルシアにクルドを紹介しようとしていたのだが、横を見ると、クルドとバルが凄い目を見開いていた。


 ついでに、何故かルシアは顔を真っ赤にさせていた。


「おいおいおいおい、なんで今日はこんな大物がゴロゴロうちに来るんだ。…って、おい!アルマ!アイツになんてもん読ませてんだ!」

「何って、官能小説だけど。クルドもよく読んでるでしょ、私が書いた、百合ものの。」


 クルドは姫女子ならぬ姫男子だ。

 私が百合を広めるために書いた恋愛小説で新しいドアを開いてから、ずっと姫男子だ。


「ただの布教活動でしょ。」

「…ちなみにタイトルは?」

「平民な私がお姫様を頂いちゃった件」

「それ受けが王子の婚約者のやつだよな。」

「うん。最近の私のブームなんだよね。」

「「………はぁあああぁぁ。」」


 え、何?どうしてそんなため息つくの?


「…あんた、なんでここに来たんだ?」

「匿ってもらいたくて。」

「なんで?」

「家出してきました。」

「なんで?」

「虐待です。」

「…あんたの家の情報はほぼ手に入らないからな。あんたの家庭環境についてはあまり知らないが、まぁ、自由に過ごせば良い。」

「…情報で報酬をお支払いすべきでしょうか?」

「いや、報酬を払ってくれるなら、俺の娘になって、働かないか?」

「何をすれば良いんですか?」


 え、なんかトントン会話が進んでいる。


「学園に通え。で、王妃、最悪王の側室でいい、王家に嫁いで来い。」

「え?まだそんなこと企んでたの?無理でしょ。王太子にはお姫様がいるじゃん。」

「お前、意外とアホだよな。」

「はぁ!?失礼だな!」

「うるせぇ。で、やるか?あんたなら出来ると思うんだが。」

「やります。」


 …マジか。


 ルシアには私のお嫁さんとして永久就職してもらうはずだったのに…。


「俺はクルド。で、後ろのがバルだ。」

「宜しくな!」

「ルシアです。よろしくお願いします。」

「あー、それから。その、本のことは忘れてやってくれ。その、本人に悪気はないんだ。」


 クルドがそういうと、ルシアが顔を赤くした。

 なんか凄い可愛いなぁ。


「…で、アルマ。お前さっき来てたの誰かわかるか?」

「え。わからん。」

「…転生者ってなんで鈍いやつ多いんだろな。」


 はぁ!?わかんないもんはわかんないでしょ!


「これは…言わない方がいいよな…。」

「え?何?」


 クルドが小声で何か言ったが、聞こえなかった。


 教えてくれれば良いのに。






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