情報屋の主人(語り手:アルマ)
〔公爵家の調査の少し前〕
「何の花が好き?」
「鈴蘭ですかね。」
「毒?」
「そうです。可愛いのに、強力なので。」
「本は読む?」
「それなりには。好きではありませんが。」
「ほうほう。じゃあ、これ、読んでみてよ!絶対本好きになるから!」
「…恋愛ものの小説ですか。読んでみます。」
「じゃあ、趣味は?」
「父親を殺す妄想をすることです。」
ルシアというらしい目の前の美少女について合コンのような質問をしていた時のことだった。
「アルマ!カモに出来そうないい貴族が来たぞ!対応やれ!」
丁度帰ってきたらしい情報屋の主人クルドに部屋の外から呼ばれた。
「…ちょっとここで待てる?」
「はい。」
立ってからいうと、見上げられる形で返事をされる。程よい高さの鼻と、美しすぎる水色の目…。可愛い。超可愛い。
「…んんっ。よし、行こう。」
ドアを開けてクルドに対面する。
「すげぇ大物が直接来やがった。アルマ、バル、お前らよく見て置いてくれ。大物を金蔓にするぞ!」
なんだか、ご機嫌だ。
バルは、私と同じ歳の少年で、顔立ちは整っているがなんとなくバカな感じが隠せていない見た目をしている。10年以上前に私とバルはクルドに拾われ、情報屋として活動している。
「ここだ。一応、相当頭はキレるらしいから、バルはあんま話すなよ。」
「おい!それは俺が馬鹿だと言いたいのか!?」
「当たり前。バルは馬鹿でしょ。」
「お、お前…!」
「今回はアルマ、お前のテストだ。お前あんまり人の顔を覚えられる方じゃないからな。パレードの間は店番を任せたが、貴族の顔を覚えて損はねぇ。」
そういうと、ガチャっとドアを開けた。
中のソファーには、優雅に紅茶を飲む、超絶美男子がいた。
黒髪に黒い目…。髪や目の色は変えている可能性が高いから本来の色はわからないが、違和感なく凄い似合っている。イケメンだ。
「あー、悪いなぁ。ちょっと弟子も連れてこさせて貰ったが、良いか?」
あれ?てか、それ大丈夫なの?普通あまり聴かれたくないでしょ。
「問題ない。」
良かったぁー。
「アンタが直接来るなんて初めてじゃねぇか。そんな極秘の依頼か?」
「いや。」
そう言うと、懐から重たそうな袋(絶対中にたくさん金貨入ってる)をドサッと、机の上におく。
「人を探している。人間とは思えないほど綺麗な顔をした女が来なかったか?俺は彼女の家族ではないから安心して欲しい。」
…!
あの子の知り合い…!?どう言う関係!?
「…。これを置いていくから、好きにさせてやってくれ。俺が来たことは言わなくて良い。」
やばい。顔に出た。
でも、とりあえず、敵ではない?
そういうと、部屋を出る。
「え?…おい、アルマどう言うことだ?」
クルドはしばらくボーッとしていると、私に聞いてきた。
「え?私もわけわからん。」
「とりあえず、その客人のところに連れて行け。」




