情報屋アルマ
バーの奥の少し雑多な応接室に通された。
「私はアルマ。ここの主人は今出かけてるから、私が対応するけど、いいかな?」
「はい。私はルシアです。」
アルマの後ろとドアの近くにはそれぞれ人が配置されている。
「では、何をお望みかなぁ?」
情報屋とは言っても、情報提供だけが仕事ではない。殺しや盗みを引き受けることもあるそうだ。
ここはかなり規模が大きく、実力の高い組織であり、大貴族でも簡単には介入できない。
「私を匿って頂けませんか?あるいは、雇ってください。」
「…誰かから逃げてるの?」
「親です。虐待されたので、家出してきました。」
「ふぅん…。家出は前々から計画してたんだね。その服とか、服の下にナイフを隠してるのも、すぐに準備は出来ないから。」
「まぁ、そうですね。」
「でも、予定が少しずれたのかな?服の下、ネックレスしてるでしょ。」
……!
「そんなこともわかるんですか。」
基本的に私はいつも深い緑のエメラルドのネックレスをしている。殿下が強力な防御魔法陣を刻み、私に身につけるようにとくれたものだ。
「うん。てか、それ追跡魔法とか刻んでないよね?まぁ、ネックレスに魔法刻むなんて余程の魔術師しか出来ないから凄く高いだろうしないかなぁ…?軽く家一軒は買えるもんね。」
…今、私の首には家一軒分の財産がかかっているのか…。
「追跡魔法はないです。」
「なら良かった。雇うっていうのは…ここでどう生計を立てるか決まってないのかな?」
「はい。」
「うーん。報酬は?」
「情報で。」
「うちに情報を?無理がない?」
私、つまりツェルシア・ノーランドの情報はほとんどない。ほぼ屋敷に閉じ込められていたし、王妃教育は受けていたが、その程度。社交にも出ていない。父親は私の顔すら人に覚えられないようにしていた。
王太子が死んだら、手元に置いて置けるようにと。
「…どうでしょう。」
被っていたフードを脱いで、顔を露わにする。
髪は染めているものの、私の顔は、パレードで見にきているはずだ。
私であるとわかれば、情報を求められるはず…
「…!凄い美少女!?」
…へ?
「え、あ!私の元で永久就職する!?」
…自意識過剰だったかな…。
情報としては有益だと思ったんだけど。
「え、っと…?」
「あ、ごめんね!あんまり可愛いから。どうしようかな。私、あなたのこと気に入ったから、とりあえずここのトップに話をつけてみるよ。」
…顔で気に入られて話をつけてもらえることになった。
結果オーライ?




