乙女ゲームのヒロイン
基本、魔法は魔法陣を用いなければ使えない。
だが、例外がある。
前世とは違い、この世界は、普通の動物とは別に、魔物がいる。この魔物は、瘴気というものによってでき、魔法で殺さなければ殺せない。だから、直接魔法陣で殺したり、魔法陣の置かれている武器などで殺す。
しかし、大量に発生して手に負えなくなる時期がある。
詠唱するだけで魔物を消し去り、人を癒すことの出来る特殊な魔法を使える存在を、神が世界に落としてくれることがある。
それが、『聖女』だ。
「確かに、ここ数ヶ月、魔物の出現率が上がっていますね。」
データとしては、いつ魔物が来てもおかしくない。
「そうなの!?やっぱり!ヒロインは、湖の上に降り立つんだけど、それを発見されて、まず、王家の保護下に入るの!で、歳がまだ若いということで、王立学園に途中入学することになるのよ!」
王立学園。貴族のステータスとなる学園で、誰でも入れるわけではない。魔法、学力、武力が優秀な人材だけが入れる学校だ。
入試では、3方面のテストがあり、魔法、学力はともに平均点が1000点満点中200点前後とかなり低い。それだけ、難易度が高いのだ。武力はトーナメント戦で戦って順位順に貰える最高点が500点、審査員の判断によって着く点が最高点500点だ。
私は学園には通っていないが、殿下やルドルフ、マリッサは通っている。
殿下とルドルフに関しては、あまり顔を出してはいないが、試験はトップレベルだし、入試では歴代でもそう見ないような点を出したとか。
「そして、学園で貴族の御令息…えっと…その…あー。」
彼女が口籠るのは珍しい。
「はっきり言って貰って構いませんよ。聖女様は殿下と恋愛をされるんですか?」
「うん。そうなのよ。フランツ、ルドルフ、それから王立学園で教師をしているうちの兄のルワン、騎士団長の御子息のバルト・ロセンシア、後は平民なのに強力な魔法を持つって、学園内では賛否両論のミクラス・マルザスと、それから帝国の皇太子、カリスト・ボルタニアが、攻略対象よ。」
帝国の皇太子!?王太子は今、人質として地下牢にいるはずじゃないのか?
「カリストは今地下牢なのでは…?」
「…でも、ゲームには登場していたわ。」
「なんらかの事情から、カリストが学園に通うことになる…ということですね?」
「うん。逆に帝国コースだとフランツが帝国学園に通っていた。」
(なにそれ。こわっ。)
「…それで、その物語に関して、何が問題なのですか?」
「わたしは……悪役令嬢なの!!!!」
…本日2度目。
この人よく叫ぶな。




