勝利の女神
1ヶ月前、ボルタニア帝国はアマリア王国に宣戦布告をした。
「あ、れ、なんか…怠い。」
「おい、お前、大丈夫か!?」
ボルタニア帝国陣。
まだ戦も交えていない出陣2日目の夜、多くの兵が死にかけていた。
「毒だ!!食事に毒が混ざっていたんだ!!」
「ありえない!!兵糧は王城から持ち出したはずだろ!?」
「昨日の食事は普通だっただろ!?」
兵士達は混乱した。
しかし、幹部は、それ以上に混乱していた。
「どうする!?騎士団長が倒れられたぞ!!」
「軍師様!!」
「ええい!!!とにかく、食糧は全て燃やせ!!夜は危険だから、明日の朝、山で食材となるものを調達する!!」
食材は燃やされたが、兵士はさらに倒れた。
そして、腹をすかせた、生き残りの兵士がやっと眠った朝方のころ。
「敵襲だ!!!」
アマリア王国軍の奇襲を受けたボラタニア帝国軍は当初10万人いた兵のほとんどを失い、皇太子と軍師をを捕虜とされ大敗した。
アマリア王国の兵士は僅か800人。
さらに、奇襲は僅か50人ほどで行われたにも関わらず、アマリア王国軍は、兵の一人も失うことはなかった。
◇◇◇◇◇
アマリア軍、帰還中。
「フランツ、どうやってあんなことを出来たんだ?魔法陣破壊の陣を相手が作っていなかったわけでもないのに。」
魔法は魔法陣を描き、暗号を入れて使用する。しかし、起動に時間がかかり、破壊陣を使われて仕舞えばどんな強力な魔法も使うことが出来ない。
「魔法は使っていないはずだろうがな…。それは、馬車の中にいる俺の姫に聞いてくれ。」
アマリア王国の王太子、フランツ・アマリア第一王子は、黒の髪、翠の目を持つ絶世の美男子でありながら、王国の経済を立て直した天才である。
そして、彼には何より大切な、婚約者がいる。
「殿下、王都まで後2日かかります。馬車で休まれた方が良いのでは?」
ツェルシア・ノーランド。国一番の美貌を持つ、
王妃曰く、王太子の横で邪魔にならないが面白みのない公爵令嬢。
そして、転生者である。
こんにちは。すけざえもんです。
別作品を書いていましたが、内容がうまく定まらず、書き悩んだので、構成がちゃんと出来ている本作を先に書くことにしました。
引き続き、読んで頂けると嬉しいです。
また、いいねして頂けたら、作者が喜びで魔王に戦いを挑みます。