第8札 戦え!!
今話挿絵が有ります。 苦手な方は画面右上「表示調整」を。
宙宇基陣と神威覇征抖のカードゲームバトルは
第八ターンを迎えていた。
神威の召喚モンスター、
ゼノンが動き出してからというもの。
陣は二重行動、詰まり
ターン内にモンスターを二度行動させて
対応していたが。
今、ルールを掌握する事により
キーパに三重行動をさせる宣言をした!
「キーパの三重行動!!
「三戦」からの「正拳逆突き」だ!!」
陣の召喚モンスター
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
遠尾爬虫人類ティラン 属性:火4 技:テイルウィップ
命中 風3≧水4 威力 火5/土3
キーパの戦術カード
‐ 属性:土1 技:三戦
命中 火0≧水0 威力 土6/風0
ティランの戦術カード
‐ 属性:火1 技:燃え上がる熱意
命中 風0≧水0 威力 火6/土0
ティランの二重行動カード
鎧獣アルマージ 属性:土2 技:肉弾攻撃
命中 火2≧風1 威力 土4/水2
キーパの三重行動カード
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
神威の召喚モンスター
全知全能の神ゼノン 属性:水7 技:アブソリュートスマッシュ
命中 火6≧風6 威力 水6/土6
ゼノンの戦術カード
‐ 属性:水1 技:無我の境地
命中 風0≧土0 威力 火0/水6
ゼノンの行動カード
エアドラゴン 属性:風5 技:トルネイドブラスト
命中 風6>火3 威力 土5/水4
「キーパの三重行動は。
ゼノンと同時に成るか?
ぶつかり合うみたいで
燃える展開じゃないか?(笑)」
陣はニヤリと言うが。
神威は忌々し気で。
「白々しい奴めが!
くっ!
同時の攻撃は、当たるならば
互いがダメージを受けた数値で算出する!」
其れでも
ルールの説明はしっかりとする。
其う成ると。
ゼノンの攻撃 属性:風
キーパに対して
命中 風11.3>火5.59035088245614 威力 土12/水15
ティランに対して
命中 風9.3>火3.59035088245614 威力 土11/水14
「ゼノンの攻撃は両方に当たる!
若しダメージが残留するならば
命中の数値差が大きい方!
差が同じなら並びが先、
詰まり左のモンスターに残る所だが!
今回はどちらも残らない!
ダメージ1未満だ!
因みに
キーパの風ダメージは0.8きっかりだ!」
神威は悔しそうなものの
やはり細かく説明はする。
其れを受けて陣は。
「じゃあキーパの攻撃は
風ダメージを受けて威力が減るな!
って訳で!」
キーパの攻撃 属性:土
火11≧水10 威力 土20.2/風12
「攻撃成功!
威力は1.68! 以降3がずっと続くな!」
1.683という事である。
拠って
ゼノンが第八ターンで受けた土ダメージは。
ゼノンの瞬間土ダメージ
7.40964911754385
「ぐっ……!
宙宇基様の勝利で御座います!」
主審たる老執事が。
つい、呻いてしまうものの。
正式に
陣の勝利を宣言する。
「……
ぶはあっ……!」
陣は椅子の背もたれに
どっかと寄り掛かる。
「あ゛ぁ゛ー……!
終わった……!」
陣は其れはもう疲れたという風に
天井を仰ぐ。
神威は。
「……
……くっ……!
くっくっ……w!
くっくっくっくっくっ……w!」
まるで
奈落の底からでも見上げるかの様な眼差しで。
「やったなw?
やってくれたなw! 宙宇基いぃいぃ……!」
地獄の底からでも響かせるかとばかりに
怨嗟の声を上げる。
一見笑っているかの様だが
目は全く笑っていない。
「勘弁してくれよっ?!
だってさあっ?!」
陣は力無くも慌て出す。
「此のルールだったら
二体召喚するのが
一番やり易いだろう?!
しかも神威は
でかいカードばっかり出すから
かなり行動を失効しているし!
明らかに手を抜いていたよなっ?!
此れは試験なんだろう?!
手を抜かれた上負けたりしたら
駄目だったよなっ?!」
しかし神威は。
「くっくっくっくっくw!
凡骨にならば
此れで勝てるのだw!」
やはり目が笑っていない。
「えー……?
駄目過ぎるだろう其れ!」
陣は
困り果てた、という顔をする。
「まあ良く分かったw!」
神威はさっと席を立ち。
ピッとカードを一枚飛ばす。
カードは狙った様に
陣の目の前迄飛んだ。
陣がカードを手に取ると。
ゼノンのカードであった。
「勝利の報酬だw!
レアカードだぞw?」
神威が言うのに。
「あ! えっと!
「大富豪」ルールって有ったよな!
一方的に奪うんじゃあなく!
いや要らないカードと交換する訳だけど!」
陣は慌てて山札を漁るが。
「其れこそ要る訳がないだろうw!
舐めているのかw?」
神威は嗤いながらも断固拒否だ。
神威はもうさっさと退室してしまいそうだったが。
「此れからの段取りとか
どうするんだ?」
流石に陣も不安気に訊く。
が、神威は。
「ふんっw!
今する話ではないなw!
其の場で決めようとするのは詐欺師だけだw!
引っ掛からない様に
精々気を付けるんだなw!」
重大なポイントであるのだが
さらりと言って部屋を出て行った。
すると、
壁際に控えていたメイド達が。
陣のカードをさっと片付けて
ゲーム用だった卓にクロスを敷き。
あっと言う間にお茶を用意した。
お茶請けに洋菓子もそっと添えられる。
「おぉおぉお……?!
あっ有難う御座います?」
庶民も底辺である陣は
もう狼狽えるしかないが。
メイド達は無言でお辞儀。
其れだけであった。
其して何日か後。
と或る飛行場に。
おどおどしてはいるが
髪型も服装も整えられた陣が居た。
とんとん拍子と言うしかないであろう。
「お、お、お、お、俺
外国なんか初めてだよっ?!」
まあ貧乏人の性根は
早々変わるものではなかった。
神威は本当に可笑しそうで。
「何を今更!
気にせずともほぼ外には出られないから
変わった所等有りはせんw!」
「何でだよっ?!」
陣はもう狼狽えるばかりだ。
「知らんのか宙宇基ぃいw!
外国は治安が悪い位の事をw!
未成年がボケ面で外を歩いたらな!
死ねるぞw? 本気でw!」
「おっ……おう!」
流石に陣も気を引き締めた、という顔をする。
「外にも出られなければ
俺、本当に右も左も分からないぞ?」
とて、やはり不安は解消しない。
「さつきに任せておけば良いw!」
神威はさつきという人物を顎で示す。
ずっと腕組みしていて手は使わないのだ。
さつきという人物は。
神威邸ではメイドの一人だったが
今はパンツスーツ姿の女性だ。
もう成人はしているだろう。
「えーっと……?」
頼りな気に目を向ける陣に
さつきはキリッと一言。
「お任せ下さい」
神威はニヤリと続ける。
「男としての腕力しかない
バカな男如きならばさつきは瞬殺出来るぞw?」
何やら言葉に文字通りの不穏さを感じ。
陣は慌てて。
「いやいや物騒な事は
先ず避けるのが肝心じゃあないかな?!
女性に荒事もさせちゃいけないし!!」
しかし神威は
重く暗い雰囲気に成り。
「まあ宙宇基の言い分も
表面上は間違いではない。
格言にもごちゃごちゃ有るしなあ?
が!
生きていれば戦いは避けられん!
否!!
生きる事其のものが戦いなのだ!!
弱いとやはり生きられないのだよ!」
「「格言」を「ごちゃごちゃ」って……!(苦笑)
「君子危うきに近寄らず」だろ?(笑)」
笑って誤魔化せる雰囲気でもなかったが
陣は敢えて笑みを混ぜる。
しかし神威は何時もの笑みが鳴りを潜める。
「ふんっ!
まあ現代のボケ日本人には
直ぐには無理だろうが。
事ある毎にイザコザを起こせとは言わん。
が!
命懸けで戦う覚悟はしておけ。
常にな!」
「……って。
さつきさんとか他のヒト達もしごいたのか?」
陣も冷静に、切り返す。
神威はやっと。
皮肉気にだが笑みを浮かべ。
「強要はせんさw!
だがw!
世の中
下らない男に殺される女は幾らでも居るだろうw?
弱いからさw!
宙宇基w! キサマとて
駄目親父から逃れる戦いの最中だろうw?」
「あー……!
避けられない戦いも有るってか!
でも殺されるってナマナマし過ぎるな!」
陣も苦々しくも認めざるを得なかった。
神威は更に冷然と言い放つ。
「唯の事実だ。
……無駄口はもう良い。
搭乗時刻は逃すなよw?」
「おっとと?!
おぉおぉおぉう! 大丈夫だぞ?!」
陣は大丈夫ではなさそうだが。
「くっくっくw!
宙宇基! 覚悟は良いかw?」
「ああ!
やってやるさ!」
陣の戦いが始まる!
ご覧頂き有難う御座いました!
いやあ……
数値を当て嵌めて実際計算してみると
思った様に成らない!
今まで気付かなかった事だらけ!
終いにはイラストも手直ししなければー!
……でした!(大爆笑)
取り敢えず!
計算間違っていないですよね?(大爆笑)
という訳で
失礼致しましたーw☆(大爆笑)