第6札 全知全能の神の攻撃!
宙宇基陣と神威覇征抖のカードバトルは。
第六ターンへと突入していた。
もう裏返しで場にカードを出してあったので
表返して計算するだけの段取りなのだが。
神威はとうとう
ゼノンを攻撃させる。
神威の召喚モンスター
全知全能の神ゼノン 属性:水7 技:アブソリュートスマッシュ
命中 火6≧風6 威力 水6/土6
ゼノンの変更行動カード
ウオータードラゴン 属性:水5 技:ウオーターショット
命中 火5≧風3 威力 水6/土4
ゼノンの変更戦術カード
‐ 属性:水1 技:無我の境地
命中 風0≧土0 威力 火0/水6
ゼノンのダメージ
火ダメージ1、風ダメージ3、水ダメージ4
陣はというと。
陣の召喚モンスター
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
遠尾爬虫人類ティラン 属性:火4 技:テイルウィップ
命中 風3≧水4 威力 火5/土3
キーパの戦術カード
‐ 属性:土1 技:三戦
命中 火0≧水0 威力 土6/風0
ティランの戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
其して縦表示の行動カードを捲る。
キーパの行動カード
巨躯誇るヘラジカ 属性:土3 技:角頭突き
命中 火2≧風2 威力 土5/水3
ティランの行動カード
凶暴針毛獣ヤマアラシ 属性:火3 技:毛針
命中 火5>水2 威力 土3/風2
行動カードを開示した陣は宣言する。
「モンスターカードと行動カードの
ウェイトの合計値が少ない者から攻撃する!
拠って!
ウェイトの合計値が7であるキーパとティラン!!
同時攻撃!!」
判定は!
キーパの攻撃 属性:土
命中 火11≧風8 威力 土20/水12
ティランの攻撃 属性:火
命中 火18>水14 威力 土12/風10
「両方成功!!」
陣の宣言に合わせ。
「土ダメージが1、火ダメージが1残留します!」
主審たる老執事が告げる。
其して。
「ウェイトが少ない者は。
差分以下の行動カードをターン内に出せる。
だよな?」
陣が神威を挑む様に見ると。
「ああw!
善くぞ気付けたなw?」
神威は余裕を以て返す。
という事で。
「キーパ、ティラン共に二重行動!!」
其して出す行動カードは。
キーパの二重行動カード
最速のファルコ 属性:風2 技:急降下突き
命中 風6>水1 威力 土1/火1
ティランの二重行動カード
猛禽の王者イーグル 属性:風3 技:荒鷲の爪
命中 風5>水2 威力 土3/火2
判定は。
キーパの攻撃 属性:風
命中 風12>水10 威力 土16/火10
ティランの攻撃 属性:風
行動無し
「キーパのみ攻撃成功!
急降下突き!!」
陣の宣言に合わせ。
「風ダメージが1残留します!」
老執事が告げる。
「ギリギリだけどな!」
陣の頬を嫌な汗が伝うが。
神威は。
「くっくっく……w!
くっくっくっくっくw!!
……
白々しいなw?
キサマ太々しいにも程があるぞw?」
笑ってはいるのだが迫力が有った。
どういう事かと言えば。
「一応だw!
ウェイト12である
ゼノンの攻撃! ウオーターショット!」
神威の攻撃の判定は。
キーパに対して
回避 火10.3<風12.8 威力 水15/土6.4
ティランに対して
回避 火11.3<風11.8 威力 水16/土8.4
10.3、11.3というのは
小数点以下は3がずっと続きますよ、という意味だ。
此れを循環小数と言う。
兎も角ゼノンの攻撃は。
「外れだw!
誰にも当たらないw!」
という事であった。
第六ターンは
陣は無傷で凌いだ、処か
今迄以上に攻撃を仕掛けたのだ。
其の上。
陣が召喚したモンスターのどちらにも
技としては使えない風属性ウェイト3のカードを
ちゃっかりゼノンの攻撃を避ける為に使い熟したのである。
其れもターン内の瞬間ダメージが有って
やっとギリギリの所で避け切ったのだ。
ターンが終了したら
威力が1を超えたカード一枚に付き1ダメージだが。
ターン内は
威力の計算式に従った数値其のままなのだ。
此れをゲーム内では「瞬間ダメージ」と称している。
此れが。
一連の行動が違っていたら
結果も変わっていたであろう。 と。
やられる側からしたら
堪ったものではない避け方! なのであった。
此のターン迄には結局。
ゼノンは土1、火2、風4、水4のダメージを
一方的に受けた。
「やってくれたではないかw!
くっくっくっくっくw!」
神威をして
もうおかしな笑いも漏れようというものであった。
しかし。
一方的、ではあったのだが。
陣は苦しそうな表情だ。
「何言ってんだよ!
此んなに攻撃しているのに未だ終わりが見えないんだ!
反則だろうソイツ!!」
しかし神威は未だ余裕そうに。
「反則、ではないなあw?
超越者、という所かw?」
「揚げ足取ってんじゃあねえっ!
上手い事言った積もりかっ!」
陣は口は減らないものの
疲労が見える。
やっているのはたかがカードゲームだが。
頭脳を捻りに捻った、という所か。
陣の人生が懸かっていると言っても過言ではないのだが。
陣は此のターン、何時もより手札を消費したので
山札から四枚補充し。
「「第七ターン! ドロウ!!」」
今回場に出した行動カードは。
全部縦表示だ。
やはり場には一枚しか出していない神威が
先に開示する。
ゼノンの行動カード
アースドラゴン 属性:土5 技:ドラゴンクロウ
命中 水4≧風3 威力 土6/火5
其して陣は。
キーパの行動カード
猪突猛進イノシシ 属性:土4 技:猛撃突進
命中 火4≧風3 威力 土5/水3
ティランの行動カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
判定は。
キーパの攻撃 属性:土
命中 火13≧風9 威力 土22/水10
ティランの攻撃 属性:火
回避 風10<水12 威力 火16/土13
「ティラン、キーパの順に攻撃!
ティランの攻撃は失敗!
続いてキーパは成功だ!」
「ターン内は2と少々のダメージですが!
ターン後は土ダメージが1残留します!」
陣が判定を宣言し、
老執事が補足する。
其して。
「キーパのみ二重行動!!」
と、陣が手札から引くカードは。
キーパの二重行動カード
ウィル・オ・ウィスプ 属性:火1 技:熱
命中 風1≧火3 威力 水1/土1
「何だと?!」
神威が驚きの声を上げる
其の行動の判定は。
キーパの攻撃 属性:火
回避 風7<火12 威力 水8/土18
成功もしなければ威力も残りはしない程度のものだったが。
続くゼノンの攻撃は。
「クソっ! ドラゴンクロウ!!」
何故神威が毒突くかといえば。
キーパに対しての攻撃判定
命中 水13≧風8 威力 土9/火10.8
ティランに対しての攻撃判定
命中 水14≧風9 威力 土10/火10.8
「当たった! が!
ダメージは残らない!! どっちにもだ!!」
詰まり。
瞬間ダメージが1未満だと
ターン後には残らないのであった。
「……面白いよな」
陣の顔は全く面白くなさそうだが。
「キーパの攻撃が当たった事で
ゼノンの攻撃がダメージが残る威力に成る所だった」
「しかしキサマは一見役に立たない攻撃で
威力を減らす判定にして見せた、と。
くはははははははっw!!
本当にやってくれる!!
誇るが良い!!
キサマ程の奴等存在しないと言って良いぞw!!」
神威はもう興奮頻りな様だ。
が。
「其んな良いモンじゃあない」
陣は褪めている、というか。
気分が盛り下がっている。
しかし神威は獰猛な笑みを浮かべる。
笑顔というものは本来
威嚇の顔であったと言うが。
其れにしても圧が凄かった。
「貧乏していたら知らないだろうがなw!
謙遜も過ぎれば嫌味だと言うのだw!
此のオレが言うのだからキサマ程の奴等
少なくとも見える所には居ないのだw!
其れとも
オレの言う事が聞けないとでもほざくのかw?」
「え? いや……!
しかし本当に神威のオレ様っぷりは凄いな?」
陣は疲れている様でいて
言葉は神威に負けていなかった。
兎も角。
第七ターン終了時点では。
ゼノンだけが土ダメージ2、火ダメージ2、
風ダメージ4、水ダメージ4、と受けていた。