第4札 眠れる脅威
宙宇基陣と神威覇征抖の
カードバトルが開戦した!
此のカードゲームは
モンスターのカード、戦術のカード、
其して行動のカードと、
三枚で召喚モンスターを使役する事を表すのだが。
第一ターンを終了し、
現在の状態は!
陣の召喚モンスター
鉄拳爬虫人類キーパ 属性:土4 技:正拳逆突き
命中 火4≧水3 威力 土5/風3
遠尾爬虫人類ティラン 属性:火4 技:テイルウィップ
命中 風3≧水4 威力 火5/土3
キーパの戦術カード
最速のファルコ 属性:風2 技:急降下突き
命中 風6>水1 威力 土1/火1
ティランの戦術カード
悪魔魚ピラニーア 属性:水2 技:暴食の牙
命中 火3≧風1 威力 水4/土1
神威の召喚モンスター
全知全能の神ゼノン 属性:水7 技:アブソリュートスマッシュ
命中 火6≧風6 威力 水6/土6
ゼノンの戦術カード
ファイアドラゴン 属性:火5 技:ドラゴンブレス
命中 火6>水4 威力 風3/土5
其して水ダメージ1
と成っていた!
此処から!
第二ターンが始まる!
「戦術変更だw!」
神威は行動カードの位置へ
横表示でカードを出す。
通常の行動は
カードを縦表示にするのだ。
陣はモンスターを二体使役するので
出遅れるが。
「キーパは通常行動! ティランは戦術変更!!」
キーパの行動カードは縦に、ティランのは横に出す。
行動カードが出揃ってから改めて
両者はカードを表返す。
神威は。
「行動無しだw!」
其う言ってカードを開示するが。
エアドラゴン 属性:風5 技:トルネイドブラスト
命中 風6>火3 威力 土5/水4
技としての計算式の部分は
モンスターとしての能力値も兼ねている。
其してモンスターは
戦術カードと行動カードのウェイトの合計値が
能力値以下ならば行動カードの「技」が使える。
此の場合
火5足す風5で10なので行動は無しと成る。
一方陣が表返したカードは。
キーパの行動カード
‐ 属性:風1 技:軽業
命中 風6>水0 威力 土0/火0
ティランの変更戦術カード
闇に眼光るヤマネコ 属性:火2 技:ダークスラッシュ
命中 風2≧水2 威力 火3/土2
此のゲームは基本どのカードも
モンスターとしても技としても使える事に成っているが。
今回のキーパの行動カードは
モンスターとしては使えないカードであった。
というのも。
技の命中威力判定値は
モンスターとしての能力値、其して初期活力も兼ねている。
詰まり。
土、火、風、水のどの能力値が一つでも0だと
最初から活力が無いという事に成り。
此のゲームは
相手の活力のどれかを0にする事で勝利なのだから。
最初から勝負が決まってしまうのだ。
因みに0の記号は○だ。
其して此のターンは。
陣のモンスターは両方共攻撃するのだが。
モンスターカードと行動カードのウェイトの合計値が
少ない方が先に動く。
拠って。
「先ずはキーパの攻撃! アクロバット!!」
攻撃の判定値は。
モンスターの能力値、引くダメージ。 戦術カードの値。
其して自身と相手の行動カードの値を全て合計して
自身の行動カードの式で計算する。
すると。
命中 風18>水8 威力 土11/火11
「攻撃成功!!
……だが?」
陣は不味そうな顔をする。
が。
主審役の老執事は。
「風ダメージ1! 残留します!」
と宣言して。
陣はほっと息を吐く。
というのも。
老執事は第一ターンで
「1を超えたら残留する」
と言っていたのだ。
しかし其れは言葉の綾だった様だ。
細かく言えば
「超える」と「以上」は違う。
今回は
「1以上なら残留する」が正しい。
兎も角
老執事は言葉を続ける。
「風ダメージは土能力値を減らします!」
此のゲームの仕組は。
土と火と風が三竦みで
水は水同士で対抗するのだ。
なので水ダメージは水能力値を減らすが。
土ダメージは火能力値を、
火ダメージは風能力値を、
風ダメージは土能力値を減らすのだ。
此れは。
カードの裏面の下地と
表の計算式の下地に
暗示する図形を描いてある。
中心に水属性の図形、
外側には三角形に各属性を配置して
矢印状の渦を描いているのだ。
因みに反時計回りだ。
未だターンは終わっていない。
「次に!
ティランの攻撃! 暴食の牙!!」
ティランは戦術カードを変更したので
前に戦術カード、だった、カードの技での攻撃と成る。
すると攻撃判定は。
命中 火17≧風9 威力 水14/土11
「攻撃成功だ!」
「水ダメージが残留します!」
陣と老執事が続けて宣言する。
陣のモンスター二体が攻撃したので。
「ターンエンドだ!」
陣が宣言する。
陣のモンスターは二体共能力値一杯に行動したので
此れで終了なのだ。
なので行動カードはダメージを与えたものは
ダメージ表示として場に残し。
結果が残らないものは捨て札にする。
巷のカードゲームでは「墓地」と言う所か。
其うしたら
行動カードとして使った分だけ
山札から手札を補充だ。
其して。
「「第三ターンドロウ!!」」
二人は手札を引いて
行動カードを場に出す!
神威は。
「戦術変更だw!」
「又か」
陣は油断無く神威を睨むが。
「まあ攻撃に移れず
防戦一方という所だろうw?」
神威は先程からウェイトの大きなカードばかりを出すので
モンスターの能力値を超えてしまうのだ。
此れでは攻撃が出来ないのだが。
此れは此れで組んだ山札に想像が付いてしまう。
攻撃が始まってしまえば恐ろしいだろう! と。
陣の額には嫌な汗が滲む。
詰まり。
神威の攻撃が始まる前に
どれだけダメージを与えられるか。
が。
陣の課題であった。
「俺は!
キーパが戦術変更!
ティランが通常行動だ!!」
其の内容は。
キーパの変更戦術カード
‐ 属性:土1 技:三戦
命中 火0≧水0 威力 土6/風0
ティランの行動カード
刺突突進魚ダーツ 属性:水2 技:ニードルスピアー
命中 火2≧風1 威力 水5/土1
陣が開示したカードを見て。
「くっくっくw!
くっくっくっくっくwww!」
神威は笑い出した。
「何笑ってんだよ!
神威が作ったゲームなんだろう?」
陣は。
別に不満という様子でもないが。
「いや其のチョイスがなw?」
「日本語で言え!」
陣は口が減らない様であった。
「洒落が利いているってか?
ダツって本当に居るものな?」
「物知りではないかw!
キーパの方もなあw?」
「絶対空手を意識しているよな?
ティランの「遠尾」だって
空手の肘打ち「猿臂」を意識しているだろう!」
「さあなあw?
其れより計算に入らなくて良いのかw?」
「分かっているよ!」
陣が口が減らなければ
神威もおちょくるかの様に面白がる。
所で神威の変更した戦術カードは。
ウオータードラゴン 属性:水5 技:ウオーターショット
命中 火5≧風3 威力 水6/土4
拠って。
「キーパとティランの同時攻撃!
けど行動処理はキーパから!
……で、良いのか?」
「ああw!
良く出来たなw?」
神威は本気で褒めている様には見えないが。
「キーパの攻撃!!
急降下突き!!」
実はカードには
其う読みが振ってあるのだ。
其の判定は。
命中 風15>水8 威力 土17/火8
「攻撃成功!
ダメージは2を超えるが?」
「ターン以降に残るダメージは
カード一枚に付き1で御座います!」
老執事が陣にすかさず付け足す。
「では次にティランの攻撃!
足の爪でって所か? ニードルスピアー!!」
命中 火13≧風12 威力 水15/土11
「ギリギリだが! 攻撃成功!
威力も充分! ……だな?」
陣は一筋汗を垂らす。
老執事は冷静に。
……でもないのか声を大きく。
「水ダメージが残留します!」
「ターンエンドだ!」
陣は宣言する。
此れで神威のダメージは
水ダメージが3、風ダメージが2だった。
モンスターがダメージを受けても
使える技は変わらないのだが。
威力は変わってくるのだ。
神威のモンスターの攻撃が始まる迄
どれだけ威力を削げるかが鍵だった。