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Echo  作者: 茉莉花じゃすみん
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Echo

先輩達の紹介です。

みんなでワチャワチャしてます。

麦茶でも飲みながら、どうぞ。

「こっちが豪炎寺(ゴウエンジ) (ゴウ)

オッス!と赤髪の男、豪は優太にピースする。

「そしてそっちが水先(ミズサキ) (モク)

黙は少しだけ顔を縦に振ってから、豪の手を見て小さくピースする。

「対照的だけど、パートナー相性は最高だからね」

優太に再び抱き着こうとする豪に、鳴神(ナルカミ)はぺチンと指を弾いた。

アデッ、と叫んで後ろに反るリアクションを取って、豪は上体を元に戻す。

至近距離の優太が一歩下がると、豪はあぁゴメンゴメン、と立ち上がり、数歩下がる。


「で、お前は何のAsp(アスプ)なんだよ?」


豪に問われ、黙は閉口する。

その様子に豪と黙は顔を見合わせる。

「豪、その子能力は……」

「ないの!?」

黙が言い終わる前に、豪は大きな声を出す。

「ない、です……」


「そーか!ないのかー!いいなー!」


豪は大声で喜ぶと優太に再び抱き着いた。

今度は黙と鳴神が目を合わせて、二人して微苦笑を浮かべた。

「というわけで、ゴー、そしてモックン」

鳴神はコホン、と分かりやすく注目を集める。

「君達に後輩が出来たので、頼んだよ」

それから鳴神は、優太の頭を軽く撫でると教室を後にした。



「あん時のショーネンだよな」

豪の問いかけに優太が頷くと、

「怖くねぇの?」

と更に問われる。


正直、怖い。


あの日、水柱が立った瞬間に異世界へ送り込まれたみたいで。

マンホールが落ちる音も、彼女が手を伸ばした際に感じた震えも、

先日夢に出てきた位には衝撃的で。

だからこそ、忘れられないほどに、

「僕が手を差し伸べたいんです、Aspはきっと怖くないんだって証明したいんです」

幼い彼の心には既に闘志が宿っていた。

「……そっか!」

豪は分かったのか分かっていないのか、元気にそう返事すると、また優太をぎゅうっと抱きしめる。

バタバタと両手を騒がせる優太を見て、黙は優しく微笑む。

そして、

()()()

と呟いた。


「ホケツ……?」

優太が驚いて黙の方を見遣ると、黙も何故かビックリしたと両手を肩まで上げていた。

「わわ、えっと、思いついて……」

「良いなァ!今日からお前のことはホケツだな!」

パートナーも居ないしな!と楽しそうに豪は優太の肩をバンバン叩く。

「補欠……」

小等科三年故に意味の分からない優太だったが、なんとなしに意味は分かる。

でも、それでもいいかもなぁ、と優太もつられて笑った。



「そんでさ、活動内容?なんだけど、」

端っこに寄せていた机と椅子を適当に二つずつ並べ、

優太と黙が座り、授業用ボードがある方に豪が立つ。

豪は置いてあるタッチペンを用いて、ボードにカツドーと斜めに書いた。

「基本的には日本街、大体は学校周りのパトロールと」

「……あとは筋トレ」

続けて黙が答えると、豪はニコニコと笑う。

「へっへっへっ、大体俺がこの教室で筋トレしてる!」

「そして僕は見回り……」

見るかァ?と豪がシャツを脱ごうとするのを黙はしゃべりながら抑えて止める。

「あとは……見回りで、見つけた、悪い人を……」

「ババッ!とやっつける!」

豪が掌から火を出したのを、黙はアワワと慌てて今度は手を抑える。

「っと、まあそういうことだ!」

「僕は、あんまり戦いたくないけど……」

黙がそう呟くと、豪も真面目な顔に変わる。


「俺らはホントは戦いたくはない」

お前は戦いたい方か?と問われた優太は、大きく首を横に振った。

「なら、意見は一致だな!」

「……でも、」

黙は顔を下へ向ける。

長い前髪で表情は窺えないが、きっとつらい顔をしているのだろう、口許(クチモト)が歪んでいる。

「話が通じない時は、武力解決しかない、からな」


覚悟しろよ?


優太は豪の言葉に深く頷いた。

次話くらいから、段々進めていきたいと思います。

というか、最後までの設定はできてるんですけど、つい描写してると長くなる病気です。

黙は、『おいしくるメロンパン』のボーカルに顔も声もそっくりで、運命を感じています。

歌になぞらえたシーンも書く予定なので、お楽しみに。


次回投稿予定日:6/22 朝7時

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