〜始まりの終わりに〜
(この作品に登場する組織、団体とは一切関係はありません)
静岡県 御殿場 国道147号線 13:43
「はぁ」
ガタガタと揺れる車内でため息をつく、迷彩服を着た若い男
「どうだ?この仕事には慣れたか」
その若い男に叩くようにして肩を叩くガタイの良過ぎる男
「慣れるも何も無いですよ入隊一ヶ月目で分隊の合同演習なんて、しかも運転席にしか窓がついてるなんて、酔ったら終わりじゃ無いですか」
うつむきながら言う
「ガハハハ、成田二等陸士そこは同情するさ、
俺も入隊したてで演習なんて、流石に逃げ出したな」
そう僕の名前は成田 真、4月に入隊して一ヶ月だ、今日は上官の思い付きで座間駐屯地の
歩兵部隊と航空隊との合同演習だ。そしてとのこの男は、
普通科連隊 第3分隊 分隊長 飯塚 忠明陸曹長
成田「なんか自衛隊って想像してたのと違いますね」
飯塚「そうか、もっとキチッとしてたとでも思ったのか?」
成田「違うんですか?」
飯塚「それは訓練とか公開訓練とかの時だけだ、それ以外は皆んな思い思いに過ごしてる」
成田「そうなんですか」
飯塚「ん?雨か」
ピッピッ 運転席の無線が光る
綱藤 「移動中の全部隊に次ます、こちら、座間駐屯地 通信技師の 綱藤一等陸士です、この後巨大な積乱雲接近につき雷大雨が予想されます、移動中の全部隊は今後の指令に対応されたし繰り返します、、、」
飯塚「作戦予定書には無かったな」
成田 (おし、このまま中止になれば)
飯塚 「成田!」
成田 「は、はい!」
飯塚 「顔に出てるぞ」
成田 「えぇ…」
運転手 「分隊長!そ、空見てください」
飯塚 「なんだあれ?」
飯塚が見た空は、いつもの透き通すほど美しい青色には似合わない真っ赤な雲がたたずんでいた
飯塚「綱藤一等陸士、こちら普通科連隊 第3分隊 分隊長 飯塚だ現在の気象の詳細を問う」
綱藤 「現在、気象班との連絡を待っています今後の指令に対応されたし」
飯塚 「やな予感がするな」
成田 「分隊長前車両見てください」
飯塚 「嘘だろ」
飯塚の目に映ったのは、前車両が次々と雷に打たれている光景だった
飯塚 「成田銃投げ…」
その瞬間成田の目にはまばゆい光とともに意識が遠のいた
……
「ドンッ」
成田 「ハッ⁉︎」
外の鈍い音で成田は目覚めた、
成田 「分隊長起きて下さい」
飯塚 「なんだ?どうなってるんだ」
成田「指示を」
飯塚「あぁクソ、状況確認をしろ」
成田「はい」
重く閉ざされた扉をゆっくりと開け周りを眺める
成田 「分隊長周囲は平原のようです。外へ出ても安全かと」
飯塚「出よう」
成田「分かりました」
二人の男が車両から降りる
⁇⁇ 「飯塚陸曹長!」
飯塚「冴木 真波 一等陸士!無事か?」
冴木 「自分は無事であります」
飯塚「私が総括して点呼を取る生存者をできるだけ集めろ」
成田、冴木 「了解です」
15分後
飯塚「生存者、10名か…」
冴木 「現在確認の取れている隊員をリストアップしましたこちらです。」
木更津駐屯地
氏名 階級 所属 任職
成田真 二等陸士 普通科第三連隊 一般兵
冴木真波 一等陸士 普通科第三連隊 隊医
飯塚忠明 陸曹長 普通科第三連隊 一般兵
須田弘樹 一等陸士 普通科第二連隊 一般兵
中居早苗 一等陸士 普通科第二連隊 技師
座間駐屯地
氏名 階級 所属 任職
伊藤忠弘 陸曹長 戦車隊第五連隊 一般兵
小林凛 一等陸士 戦車隊第五連隊 一般兵
白石明里 一等陸士 戦車隊第五連隊 輸送
佐々木吾郎 一等陸士 航空隊第五連隊 操縦士
綱藤啓一 一等陸士 通信形隊 通信技師
以上計十名
飯塚 「とりあえずだ、この状況を説明できるものは出てこい」
……
飯塚 「分かった現在の車両の数を座間駐屯地の白石一等陸士」
白石「は、はい」
白石「えっとこちらもリストアップしました」
木更津駐屯地
運用 車両名
兵員輸送 軽装甲車両LAV
座間駐屯地
運用 車両名
戦車 10式戦車
輸送 96式装輪装甲車
偵察ヘリ OH-1
以上計四台
飯塚「成田!本部と通信を」
成田 「HQ.HQこちら第三連隊、至急応答されたしHQ!」
飯塚「しょうがない、佐々木一等陸士ヘリで上空偵察出きるか?」
佐々木「それが起きた時にヘリごと10m落下しまして衝撃のせいでローターがオフラインのままです」
飯塚「綱藤一等陸士、GPSは使えないのか」
綱藤「ええ、完全にダメです、衛生をキャッチする事も出来ません」
飯塚「何故だ、俺たちに何があったんだ」
⁇⁇「キッキー」
緑色の肌に棍棒を持ったヒトの様な生物がこちらを見ながら叫んでいる
成田「分隊長アイツコッチに来ますよ」
須田「こいつなんだ気持ち悪りぃ」
⁇⁇「カッキーーー」
飯塚「お前ら撃つなよ発砲許可は出ていないしかも相手は一匹だナイフで応戦しろ」
その瞬間緑色の奴が須田に飛びかかって来た
須田「グッ、チクショウ!おりゃ」
⁇⁇「キッ」
シュウと音とともに黒い煙になって消える
飯塚「須田お前人を!」
須田「申し訳ありません、この責任は公安に…」
成田「違う」
須田「えっ」
成田「ゴブリンだ」
早苗「ゴブリンって童話とかゲームとかの?」
飯塚「とりあえずだ、今は全員の生存が任務だ、今日は野営しよう」
一同「ハイ」
飯塚「早苗一等陸士は輸送車に積んである装備品のリストアップとヘリの修理に当たってくれ」
早苗「は、はい」
飯塚「その他隊員は車両の点検と共にテントを張ってこい」
一同「了解」
飯塚「取りかかれ」
⁇⁇ ⁇⁇ 日本時間 19:48
早苗「な、成田さん交代です」
成田「中居一等陸士 ありがとうございます」
早苗「あの!」
成田「はい」
早苗「丘の向こうの光ってなんでしょうか」
成田「あれは、、、炎でしょうか」
成田「アレ?なんか近づいて来てますよね」
早苗「アレ…ゆ、弓持ってませんかね」
成田「ハッ⁉︎そ、総員警戒態勢!」
飯塚「ど、どうした!」
成田「分かりませんが、正体不明の兵士がこちらに向かって来ます」
飯塚「戦車隊第五連隊砲撃用意!何が起きるか分からない指示をするまで絶対に撃つな」
弓を持った兵士の中央に馬に乗った金髪の少女が剣を突き立てて言う
⁇⁇ 「我の名はジルベール王国剣姫の
アンネ=ルーベンだ、お主らは何者だ!」
飯塚「なんだまさか中世のコスプレとかじゃねぇよな」
アンネ「名乗れ!」
飯塚「クソ、返答次第じゃ全員蜂の巣だ」
成田「分隊長…ココは私に」
飯塚「そんな馬鹿な二等陸士ごときに任せられるか」
成田「信じて下さい!」
飯塚「一人でも死んだらお前を殺す」
成田「え!、は、はい!」
アンネ「どうした!名乗れないのであれば敵とみなすぞ!」
成田「スゥー」
成田「我の名は陸上自衛隊 普通科 第三連隊 成田二等陸士だ!」
須田(アイツ!正直に!)
アンネ「ジエイタイ?聞かない名だな、まさかノームのスパイか!」
成田「へ?」
アンネ「それに手に持っている鉄の棍棒、それはなんだ?」
成田「コレは鈍器なんかじゃ」
アンネ「質問を変えよう」
アンネ「お前らは敵か?」
成田「……」
兵士A「アンネ様お取り込み中申し訳ございません、西からミノタウルスの群れが急接近して来ます!」
アンネ「ミノタウルス!しかも群だと⁉︎撤収!撤収だ!」
兵士B「東からも来てます!」
アンネ「か、囲まれた⁉︎」
ミノタウルス「グォーー」
ミノタウルスが斧を投げる
「ガンッ!」
冴木「キャッ」
飯塚「冴木一等陸士!」
成田「分隊長!もうこれは正当防衛を発動するしか無いです!」
飯塚「アンネ殿!一時休戦だ!」
アンネ「何⁉︎ミノタウルス一匹でも苦戦するのに群を相手するなど無謀だ!」
飯塚「木更津駐屯地隊は東を座間駐屯地隊は西を打て!」
成田「分隊長!発砲許可は⁉︎」
飯塚「伊藤陸曹長!問題ありませんね」
伊藤「発砲を許可する!」
小林「ホイッ来たー」
成田「入隊一カ月で実戦か」
伊藤「飯塚陸曹長!砲撃準備出来ました!」
飯塚「照準合わせ!」
小林「ターゲット補足!いつでもミンチに出来ます!」
飯塚「歩兵隊構え!」
須田「イッチョやってやるか!」
飯塚「…」
飯塚「撃ち↑方↓始め!」
飯塚の号令と共に10式の轟音と89式の乾いた破裂音が平原に響く
アンネ「なんだアレは、鉄の塊から大砲が出ているのか?」
兵士C「アンネ様!指示を!」
アンネ「そ、総員自衛隊の援護をしろ!」
兵士達「ウォーーー!」
アンネ「コレは魔法などと言う生温いものじゃ無いただ言えるのは"圧倒的火力"」
飯塚「早苗一等陸士!ヘリの修理はまだか!」
早苗「も、もう少しです!」
成田「ヤバイですLAVの機銃使います」
飯塚「急げ!」
ミノタウルス「グォーー」
冴木「須田!3時の方向!」
須田「ガハァ」
飯塚「須田ァァ」
成田「冴木一等陸士急いで須田さんの手当てを!」
冴木「言われなくてもやってる!」
兵士D「アンネ様!ミノタウルスが逃げていきます!」
兵士E「ヤッタゾォォォォ我々の勝利だ!」
成田「す、須田さん大丈夫ですか?」
須田「大丈夫とは言えないな」
飯塚「容体は?」
冴木「ミノタウルスの斧による左腕の出血と脛骨の骨折です」
アンネ「どうしたんだ、ジエイタイ」
飯塚「この怪我を療養出来る都市はあるか!」
アンネ「お、王都に行けば回復魔法でどうにかなるだろう」
早苗「分隊長!ニンジャの修理完了しました!」
飯塚「佐々木一等陸士!行けるか?」
佐々木「地図があれば行けます!」
アンネ「王都までの大まかな地図だ」
佐々木「行ってきます!」
須田「情けねぇとか見せちまったな」
成田「喋らないで下さい」
アンネ「何で行くつもりだ?」
冴木「見れば分かりますよ」
飯塚「TAKE OFF!」
飯塚が指を頭の上で回して離陸の合図をする
アンネ「あれは!鉄が空を飛んでいる!」
兵士A「アンネ様奴等の対応は?」
アンネ「て、丁重に扱え絶対に怒らせるな」
兵士A「は、はい」
アンネ(ジエイタイ…一体何者だ?)
To Be CONNTENED
こんにちはていんティンです今回の作品楽しめて頂けたでしょうか?良ければ評価ともにコメントしていただけると嬉しいです。
さて作者も色々ありまして#3以降は手術のため遅れます#2の投稿は7/25日です
作品のお問い合わせ等はTwitterにて受け付けております詳しくはプロフィールまで
隊員リスト
木更津駐屯地
氏名 階級 所属 任職
成田真 二等陸士 普通科第三連隊 一般兵
冴木真波 一等陸士 普通科第三連隊 隊医
飯塚忠明 陸曹長 普通科第三連隊 一般兵
須田弘樹 一等陸士 普通科第二連隊 一般兵
中居早苗 一等陸士 普通科第二連隊 技師
座間駐屯地
氏名 階級 所属 任職
伊藤忠弘 陸曹長 戦車隊第五連隊 一般兵
小林凛 一等陸士 戦車隊第五連隊 一般兵
白石明里 一等陸士 戦車隊第五連隊 輸送
佐々木吾郎 一等陸士 航空隊第五連隊 操縦士
綱藤啓一 一等陸士 通信形隊 通信技師