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Dea occisio ーFlamma florumー  作者: つつみ
Marme Miwa Ogula(烈都白塔)
66/125

『Diabolicus fugit in albis flores』

ーー場面は変わり、名も知れぬ辺境の雪原。



永世中立領域とは異なるものの、暗く静かな其処はまるで中立領域の様に穏やかだった。

雪が静々(しずしず)と降りゆく。

















「ふーっ………ま、こんなもんか」

スノウルが何かしら用意し、今やっと終えたかの様な様子で振る舞っている。

「スノウルさぁん………ほんとにこれで良いんですか〜…」

ニルスィが心配そうに訊ねるが、スノウルは深く気にする事もせず何時もの様に答えた。

「良いんですよこれで」




そして彼女は呟く。

「奴等の共倒れを見物する事が出来ないのが惜しい所だけど、計画の為ならしゃーないもんね」

薄っすらと邪悪な微笑みを湛えて。











































振り返ったスノウルが視線を送るさきは、大きな白い花。

「うえぇ…スノウルさぁぁん〜」ニルスィが寂しそうに振る舞うのに対し、スノウルは唯変わらずにはいはい見張りよろしく( ◜◡◝ )とだけ告げ、そして花の中へ足を踏み入れてゆく。



フワリと開いた花はスノウルを捕捉し、そして其の花弁を閉ざしてゆく。

内部にスノウルを閉じ込めて。









大きな白花がスノウルを内部に閉じ込めた後、蕾の様な形に変わり動きをピタリと止めて其の場に留まった。

「あぁ〜…………………………」

ニルスィは相変わらず寂しそうな様子だったが、彼女から頼まれた見張りの役目故に離れる事は決してしない。

(うう………ちゃんと()()したら、起きて下さいね…)

物言わぬ白花の表面を軽く撫でながら、ニルスィは祈った。

スノウルの目的が達成出来ます様に。其れだけでは無く…






退屈だなぁきっと、というニルスィの小さな呟きは曇天と白雪の中に消えていった。

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