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Dea occisio ーFlamma florumー  作者: つつみ
Dedelwn Dark Kawntein(星都白塔)
33/125

『Silentium est lux verberet』

ーー無事、復讐者一行がリプレサリアへ辿り着いた時、彼等の元へ真っ先に飛び込んだ白い小人がぼふりと復讐者の服に飛び付き、しがみ付いた。

「!!ーーアムルア…」

「おかえりなさい、だよ」純粋に嬉しいのか、然し其の声は僅かに震えていた。






「アムルア、待っててくれたんだね。ごめんね、ながくなっちゃったよ」エムオルがアムルアの頭を優しく撫でて、帰りを待ってくれたアムルアに感謝する。

「二週間近くも寂しい思いをさせてしまって済まなかったな」

復讐者も、どういう訳かアムルアには珍しく優しかった。ーー仲間達と、ニイス、そして慕っていた者以外をあまり信じなかった彼にしては割と珍しい。

(………。彼も、変わりましたね……………………)エインは其れを少し離れた場所から静かに見守っていた。親族として喜ばしくもあった為だ。


























































ーー彼等には安寧の日は無い。女神の侵攻故に世界が燃やされてゆくのを良しとしないからだ。手始めに聖都の焔の花を絶やす事が出来たが、未だ世界には花が爛々と咲いている。


雑踏と喧騒に彩られて賑やかな中央広場は一つの街の様に活気があった。フィリゼンで出会った商人ギルドの男が陽気に声を掛ける。ある者は帰還を喜んでいたし、またある者は聖都の白塔、焔の花の破壊が成功した事を祝っていた。

「アンタやるねえ!!」女神(シーフォーン)の洗脳が解けた今、此処に居る者達の殆どは彼女達の犯してきた罪の数々を知って失望し、其の信仰を捨て、ある者は軽蔑した。

「あ、復讐者さん達!お疲れ様です!!」

また女神達に虐げられていた一部の者については制裁を加えた復讐者達の事を知って、応援している者もいる。




そして星の乙女教徒(ソピステラ)はーー現時点ではサフィーを除き、星の乙女(■■■■)達を細やかに信仰してはいるものの今の女神であるペールア・ラショーのやり方に強い非難の情を持っていた。

そんな彼女達は彼女達で、懸命に日々を生きる事に勤しんでおり、何れは信仰より自らの手による未来を選択するのだろう。考え方が少しずつ変わってきているのだ。

ーーとは言え世界を自分達の思う通りにすべく滅茶苦茶にした女神達を信仰する立場ゆえ肩身が狭く、機関内での風当たりや立場はどうもあまり良いとは言えないらしい。


ただ、()()()()()()()()()()()()()()ーー革命派の星の乙女教徒(ソピステラ)達は、ロザの様にペールアに付き「焔の花教徒」へと変貌を遂げてしまった。









(やが)て一行は主要部に辿り着き荷物を降ろして其々の座に座った。

そして彼等は長卓につき話し合う。

















































「ーーよって、サフィーとオディムを謹慎とする」

第一に復讐者の言葉が少年少女の処遇を決定した。

「なんですって!!」少女は納得がいかずに用意された椅子から立ち上がり卓を強く叩いた。

「貴女は問題行動が多過ぎます。聖都白塔の時にも己の感情で私達を阻み、挙句貴女自身にとって最悪の結果に繋がった」

エインが淡々と理由を述べ上げた。

自分自身にとっての最悪の結果ーー其れは、ロザの事だった。

「反論するのは復讐者さんを殺せなくなるから…ですよね」レミエでさえサフィーを非難する瞳で見ている。

「っ………!!」

「オディム。彼女よりは貢献した貴方には大変申し訳ありませんが、未来多い若者の一人である貴方を巻き込む訳にはいかないと判断しました。…それにーーサフィーが何らかの行動に走る可能性もありますし、貴方にも同じ形を取ってもらう事になりました」

対するオディムには淡々と、なるべく丁寧に話しながら彼は教えてくれる。…復讐者の様子からしてどうもエインとレミエ、エムオルとで話し合って決めたのだろう。復讐者は三人の意見にただ同意したたけという事なのか。


「まっ…まあ……そうだよな。ーーうん、分かった!俺に任せてくれ!!コイツが行動力無駄に高いのは分かってるし、あんな事みたいにさせたくねえもん」

少しばかりショックありきなのだろうがオディムはどうやら納得して受け入れてくれた様だ、が。

「…………………………くうう、っ」サフィーの方はやはり納得のいかない様子でエイン達を睨んでいるらしい。

















ーー少女と少年の処遇が決定してそう間も無く、はーっと大きく溜息を吐いた復讐者が口を開けた。

「…………決まったな。ではそろそろ……」

カッ。

































遠くから見えた星の様な閃光。


























































ーー窓の向こう側が夜明けの太陽の様に眩く輝き、そして光は弱まって、消える。

「何だ……………っ!?」一行が窓の向こう側を見た時、ほんの一瞬だけ、()()()()姿()()()()()()()()()()()()

あまりにも遠過ぎる為に誰であるのかは分からなかったが、空を飛んでいた事から星の乙女(■■■■)ではないかと予測する。


…然し此の場に星の乙女(■■■■)の信仰者であるサフィーが居る事もあって口に出す訳にはいかなかった。

「…其れよりも………閃光の放たれた方角…は、」

口を手で僅かに隠してから、彼は結論する。









ーー…星都ソフィアリア・イルじゃないか。












































「……。我々への、宣戦布告……のつもりか」

思いの外早く事が進みそうだ。

敵が態々(わざわざ)宣戦布告してまで迎えてくれる事に、復讐者は改めて次の準備に取り掛かる選択を取った。

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