『Cantate draco in Dominicæ incarnationis sexcentesimo』
…時は某刻、不明の場所。
「ーー……♪」
青い瞳の少女らしき人物が、恐らくは古い時代の物ーースマートフォンに似た端末を取り出して起動する。
開かれた画面はダイレクトメッセージ形式のSNSなのか、恐らく仲間であるニルスィに宛てて送っている。
………Start deployment.
Welcome, user"Ninety-nine(九十九)_Quantum99".
認証、入室成功。
"叛逆者"九十九、歓迎致します。
「よし。さーてニルスィさん見てるかな」
思い儘に打ち綴った内容を"共犯者"ニルスィへ送る。
そう間も無くして、肝心の相手からの返信が舞い込んだ。
『ニルスィさんそっちはどう?』ピロン
『こっち順調です〜スノウルさんどうなんです〜?』ピロン
『ん、こっちも大体終わったみたい』ピロン
『…でも……こんなに事が都合良く運んじゃって良いんでしょうかね』ピロン
『良いんじゃない。寧ろスノ氏にとっては好都合だぜ✌( 'ω' )✌』ピロン
『んんっ!確かに好都合ですねw』ピロン
『私の目的としてはぺるぇさんがあのコーマンチキお嬢様を復活させてふくしゅーしゃ(笑)達がぺるぇさんの塔をブッ壊して、そんでもって二人共激突!んで呆気無くお亡くなりになりました〜wってのを所望してるのね』ピロン
『んああっスノウルさんお人が悪い』ピロン
『まあもっともーっとお二人には暴れてもらって世界を滅茶苦茶にして欲しいのですわー、滅茶苦茶にしてから共倒れして欲しいっていうか』ピロン
『で、でも…スノウルさんの思い通りにいかなくなったらどうするんです〜』ピロン
ニルスィからの返信。
はっと目を見開かせてから画面越しのニルスィに向けてふっ、と笑う。
『そりゃそういう程度の事なら想定してますとも、スノ氏の圧倒的な力で捻じ伏せれば良いのです( ˘ω˘ )なんたってスノ氏は竜の化身ですからね』ピロン
少女は嘯く。
『まあ、ブッ殺せば良いんですよ要は。自分よりも愉快に生きてる不愉快なゴミなんか皆殺しにして皆死ねばいい』ピロン
(そうだ。そう。皆、私にとって都合のいい存在で良い。私のやること成す事の全てをヨイショしてくれるイエスマンでどんな事も全部認めて褒めてくれる機械みたいな奴だったら良いんだよwクソ喰らえゴミ共)
スノウルは心の中でほくそ笑んでいた。
少女の邪心を意識の海から誰かが見ているなんて露も知らずに。




