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Dea occisio ーFlamma florumー  作者: つつみ
Coronam sanguinis(血の冠)
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『Estuans frigus』

ーー感覚は、喩えるなら急速に失われてゆく体温の様に。


冷えてゆく身体が動きを鈍らせる。


次第に硬直の迫る此の状態が、言うなら病態に蝕まれていた嘗ての己の様に思えてならなかった。




…照らしたものが、まあるい太陽。


私の身体は照らされた際の暖かさで、次第に硬直を脱し、柔らかさを取り戻す。









そうであったら。

………そうであれたなら。









































ーー人型の手を握る、握り続ける、一人の女。

赤い髪を僅かに揺らして、其の姿は、静かに祈る敬虔な信徒の如く。

目を閉じて思い描いているものは、彼女の黄泉帰りか、或いは寵愛を得た未来の己の姿か。其れだけは彼女にしか分からなかった。



自分の手より、人型へ熱を分け与えんとする。

…例え己の灼熱が冷めてゆくとしても。

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