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Dea occisio ーFlamma florumー  作者: つつみ
Reorganisation(再編成)
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『Quod recedere』

ーー窮地を思わぬ人物に助けられて、復讐者は今に至る。

…………皮肉な事だが、スノウルに助けられてしまった。アレの性格上敵意を向けている奴を更に窮地に立たせるのが好きな部類だと思っていたが。…まさか恩を売らせて利用でもしようと考えていたりするのだろうか。

















そんな事よりも復讐者は一先ず先に逃げ延びたであろうエイン達の事を気に掛ける。ーー無事に逃げ果せただろうか、怪我でもしていないだろうか、レミエさんがいるから大丈夫だろうか、エムオルはうっかり転んではいないか。

……兎に角気に掛ける事ばかりで、己の今後については詳しく考えられない。

取り敢えず今の自分に出来る事を考えるとしたら、ーー女神の手も及べない永世不可侵領域へ逃げ延びる事だけだ。



傷付いた身体を引き摺りながら、彼は仲間達が逃げ延びたであろう場所を目指して進む。

…今は休息が欲しい。例え不老にして長生であろうと、疲労と不調に対する耐性は普通の人間と変わらない。

加護による身体能力の増強と、剣が取り込んできた追従者や女神の力で乗り越えてきた部分はあるが、彼の全てを補っているとは言えなかった。其れに撤退を余儀なくされた中でニイスが突然居なくなってしまったのである。




(……………………。)復讐者の表情は曇り、暗く影を落とす。

まるで現状を変えられなかった、寧ろ最悪の方向へ転じてしまった時の絶望にも似た心境が彼の心を占める。

……こんな、こんな事を望んだ訳じゃない。

其れはきっと、自分自身が、仲間達夫々が、一番痛い位分かっている。

























ーー悔しい。悔しくて、悔しくて、本当に堪らない。

己の力の至らなさと、現状を変えられなかったどころか最悪な方向へ変わってしまった事を。

事実として受け入れておきながらも、彼は耐えられなかった。

最も慕っている"あの人"へ対して非常に申し訳無く思った。

悲しいだけの気持ちで、悲しむだけで、自分は立ち止まりたくなかった。

其れ以上の怒りで、女神達を殺した。託された願いを受けて、女神の支配を断ち切った。…なのに。


















































……だから、


…………だからこそ。









ーー女神ペールア・ラショーを滅ぼさなくてはならない。


彼は、復讐者は、新たな決意と復讐を誓った。

星よりも強く、

空よりも高く。

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