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Dea occisio ーFlamma florumー  作者: つつみ
HORTUS MUSICUS et deprimentes(過激と憂鬱)
124/125

『Quis fermentum flamma germinavit』

ーー……………………………………………………

ーー…………………………


其れは嵐の様なものだった。

ペールアの黒い感情が絶望的な程の強大な力に変わり一行を圧倒する。

「くぅぅぅ………!」

放たれる邪悪な気迫だけで一行は吹き飛ばされそうになる。









【ヒャはァ、ヒャハッギャヒ、ハハハッ!!!ーーあぁ…あァぁ、力がミナぎってクるぅぅぅ~うフフフフふフふふフ、他者の血は格別…!!】

「怪物」はうっとりとしながら、やがて復讐者に視線を向ける。

【…でも、復讐者、ァははは、貴方のソの…苦しみと傷ヲかカエた血を飲み干セば………どレ程甘美な味がスるんでしょウねェ………♡】



【喪っタ苦シみ、傷を抱エ、そして不幸の渦中で苛マレている者が、私の糧にナレば……】

「怪物」はぐあっと復讐者に迫る。


【ーー~そうダ、復讐者!!おマエ、お前ダ!!オまエの様ナ者が不幸にナレばなる程!私達は、シーフォーンさンは!!もっと幸セにナレるんダよ!!!】

だかラもっトオ前は不幸にナレ!!なるンダ!!ナラなクてはイケないンだ!!!と復讐者に更なる不幸に落ちる事を強要する。

















「………私は断る。"あの人"を喪い、更に不幸に苦しめと?」



「そんなもの、私は願い下げだ!!」









復讐者は「怪物」の胸に銃弾を撃ち込む。然し痛みを訴える様子も無い。だがーー自分を含め、仲間達が姿勢を変えるには充分な位の隙だった。

「私は私の復讐を成し遂げ、全てを完了する。お前の様な奴から世界を救うのは序でだ!」

最初から世界の為では無く、復讐だけに尽くしていた。其れでも、"彼"が少しだけでも生きた世界の為に炎に燃える世界を取り戻す決意を抱いた。

唯、唯其れだけの出来事。




「あんちゃん達は…復讐…きっとその為だけかもしれないけど……俺は…!!酷くても、この世界が大好きだ!だからあんちゃん達と最後まで戦うっ!!!!」

「…信じていた、デイン様の天使である星の乙女(ソフィア)様はもういない………けど!!私は私と母様達が生きた世界を愛している!!!!」

「エムだって、エムだって…!!オディムや、サフィーと同じだもん…!!」

三人が「怪物」の圧から立ち上がる。



「私にとって大切だったあのユイルさんはもう今は居なくなってしまった…私は、貴女を許さない。勿論シーフォーン達も。最後まで、私は戦うの!!」

レミエが。

「私も彼に同じですが、惨状を拡大させないで頂きたい。大切な人達が次々に命を落としてゆくのは………私ですら、堪えるのですから」

エインが。





「だから、私はお前の望む様な結末は辿らない。女神ペールア・ラショー。……いいや、「怪物」になった、嘗ての"彼"の友だった人」

そして復讐者の眼差しの蒼い焔が、「怪物」を見据えた。

































ーー【あああああゝ嗚呼あアア亜あアア吾あアあああ阿アあ!!気に喰ワナいッ気ニ喰わナイなぁッ!!!!!不幸!!不幸にナレよ!!!!!なっテ私達ノ為に尽くセ!!!!!シーフォーンさンたチの幸セの糧に、なれよぉぉぉォォぉォォォォォっ!!!!!!!!!!】

「怪物」はより禍々しく姿を変える。

下半身を虫の腹部と獰猛な獣の様な脚へ、憎悪の黒色で毛先が染まり、死者の様な血色の無い肌と濁った瞳を大きく見開かせて復讐者達へ叫ぶ。


包丁に似た無数の短剣(ナイフ)を背の黒輪に繋げる様に喚び出し、血染めの破れた白いドレスと(ひび)割れた鎧を身に着けた「怪物」が嵐の様な叫びと共に語る。


【ーー此れより私は魔神。此の名はペゲリ……ペゲリ・カィール………私は敢えて憎き者(おまえたち)を滅ぼす為に邪悪な樹へ触れる。貪欲(ケムダー)の根よ、私の復讐(虐殺)理想善(シーフォーンさん)の為に甘美なる導きを】

執筆途中のタイトル(※の部分有り)のままだったので修正しました…

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