異世界RPG物語～突然RPGの世界に転移させられた男～

『貴方たちは死にました。というか殺しました。そしてこの世界へと転移させたのです』
　
　気がつけば見知らぬ街中に佇んでいた綾峰司。
　平凡な高校二年の17歳だった彼は、上空に現れた影―――神様を名乗る声にそう言われて戸惑っていたが、話を聞くにどうやらこの世界には同じように転移させられた人が10億飛んで4985人いるらしい。
　自称神様は続けて言う。
　曰く、この世界はRPGも模した世界観で造られていること。
　曰く、特殊な塔を造り、その塔の到達者にはある条件下において望む全てが叶えられるということ。
　曰く、別に塔を昇らず静かに穏やかに暮らしても良いが、この世界でも死は訪れるし、死んだ先は無であること。
　特に願い事はなかったのだが、偶然知り合ったお婆さんに諭され塔を昇ることを決めた司。
　そして道中偶然知り合った女性、小井戸沙希と、陽気なアメリカ人のケヴィン・マーティンと一緒に塔へと向かうのだった。