閑話1-5ある母の謝罪(1)
新しい閑話です。
「あぁ、もう一年経つのね」
朝日もまだ登らない頃、1人の母であったものが呟いた。
あの人にあっていなければあの子も…
〜〜〜〜〜〜
「はぁはぁはぁはぁ」
やっぱり夜家なんて抜け出さなきゃよかった。
後ろを振り返ればすぐそこに4、5匹の狼が目をギラつかせながら迫っていた。
ギャウ
しかし次の瞬間一頭の頭に矢が刺さった。
「上だ!木に登れ」
ビックリしながらも私は死に物狂いで木に登った。
流石に狼も仲間をやられ木にも登れなかったので逃げていった。
「大丈夫?」
隣の木の上に人間らしき影が見えた。
「大丈夫です。先ほどはありがとうございました。あなたは?」
「私はジャレステロ、冒険者でこの森に用があってきたのですが少し迷子でして。あはは」
「私はモリフィーです」
「名前も呼び捨てで、敬語も使わなくていいですよ」
すると私たちの間に小さな光の玉が現れた。
「に…んげ、ん…」
「これは私の光魔法です。あなたは獣人族のようですね」
用ってもしかして獣人狩り?
「そんなに怯えないでください獣人狩りではないですよ。私は薬草の採取が主な目的で帰りに数匹狼を捕まえて帰りたいだけなので」
「そうですか。信用していませんが」
「それでいいと思います。あと私の祖父は獣人だったので獣人に嫌悪感などは持ってないのでその辺は安心してください」
この男の人間やけにニコニコしてるわね。
「あらそうなの。先ほどはありがとうございました。私は用事があるので失礼します」
木を降りようとすると足に痛みが走った。
見るとふくらはぎが木に登る際枝に引っかかったようで、深く切れていた。
焦ってて全然気付かなかったわ。どうしましょこれじゃ…
「家までおぶって行きましょうか?」
またニコニコとジャレステロが言った。
「歩けるわよ!それに家じゃなくてお花を摘みに行かなきゃいけないの」
「それではおぶりますのでお花摘んで家に帰りましょう。流石に女の子を夜一人で返すのは気が引けます」
「女の子じゃないわ。今年で17になった」
「ではお嬢さんを手当てして送りましょう。はいどうぞ」
そう言って降りた彼は私が降りやすいように手を伸ばしてくれた。
足も血が出て痛むしどうしても花を摘んで帰りたいし…頼るしかないようね。
私は彼の力を借りて木から降り手当てしてもらった。
結局痛くてうまく歩けず彼におぶってもらった。
「ありがとう。花摘む場所はここをまっすぐ行ってちょっと開けたところを右に曲がったところです」
「右に曲がる時が来たら教えてね」
ジャレステロは何歳なのかしら?私より年下だったらちょっと自分が意気地ないな。
「ジャレステロは何歳なの?」
「私は20歳ですよ。冒険者になったのは四年前の16歳の頃です」
よかった、年下じゃなくて。
「今度は私が質問しますね。モリフィーはなぜこんな夜中お花摘みに?」
「姉が明日誕生日なのよ。それで姉が好きな湖のほとりに咲く赤花を摘みたくて、家をこっそり抜け出して来たの」
「誕生日かじゃあ夜が明ける前に帰らなきゃだね」
それから家族のことや冒険のこと首都の事を話したり聞いたりしているうちに目的の湖までたどり着き、たくさんの赤花を束ねて帰った。
「ジャレステロ家までありがとう」
「いえいえこちらこそ。久しぶりに人と話せて楽しかったよ」
「またあそこの木の上にいるの?」
「ここ3日4日はあの辺にいるかな。そしたら少し移動する」
「わかったわ。足が治ったらお礼に行く」
「そんな律儀にならなくていいんだよー」
またニコニコと彼が笑った。
「それじゃあまたあったら。足お大事にね」
「さようなら」
そのあと、こっそり家に入るのにはどうにか成功した。
しかし次の日夜出かけ足を怪我したことを怒られた。
姉のは赤花を喜んで受け取ってくれて、みんな姉の誕生日を祝いその日は終わった。
〜2日後〜
「モリフィー、どこへ行くの?」
「木の実摘に行ってくるお昼には戻るわ。ちゃんと洗濯物はもう干したわよ」
「わかったわ気をつけるのよ。足が痛くなる前に帰って来なさい」
「わかったわ。行ってきま〜す」
「行ってらっしゃい」
クッキーを持ってるのバレなくてよかった。ジャレステロの匂いは少し覚えてるし少しは見つけやすくなるかな。
この前助けてもらった木下に行くとジャレステロの匂いがかすかに残っていた。
「多分あっちね」
人を探す時狼族でよかったって思うのよね。匂いさえわかれば多少は慣れてても場所わかるし。
匂いが濃い方へ歩いて行くとジャレステロが草を刈っていた。
「ジャレステロ」
「ん?あーモリフィーか。ほんとにまたきたんだね。よくこの場所がわかったね」
「狼族は鼻が人より効くから。それよりこの前のお礼、昨日姉の誕生日の余ったクッキーだけど持ってきた」
「ありがとう。お菓子なんて久しぶりだ」
「それわよかった」
「今日は薬草の話でもしようか」
そして彼はこの辺にはない珍しい薬草の話などを話してくれた。
思えばすでに色々知っていて優しい彼のことが好きだったのかもしれない。
「おっともうこんな時間か」
「あらお昼になってる!ごめんなさい私帰らなきゃ」
「送ろうか?」
「いいわ、親に見つかったら大変。特にお父さん。人間きらいだから」
「そうなのか。じゃあまたあったら。足お大事にね」
「ありがとう。またね」
こうして次の日から毎日ジャレステロに会いに行く日が続いた。
そして彼は私のことが好きだと言い、愛し合い私は身ごもってしまった。
呼んでくださりありがとうございます。




