ネットの女神シュリー降臨
昼休みが終わってから、少し考えたよ。(授業中に。)
明後日から夏休みだと言うのにノープラン。
えっちゃん、彼氏出来そうだからあまり誘わない方が良いかな?
霧子ちゃんと二人だとどうしてもラッキーアイテムの事になりそう。
霧子ちゃんああ見えて、家の商売の事になるとしっかりしてるんだよね。
サラスさんからは何も聞いてないけど、私の連絡先は知ってるから2頭身キャラの件で何かあったら連絡してくるよね。
それともサラスさんは自分の音楽活動するんだろうか?
放課後になってまずサラスさんに聞いてみた。
「例の件ですが、準備が出来たら連絡もらえるんですか?」
「プロジェクトの方にあなたの連絡先を教えてあるので、そのうち連絡すると思います。」
サラスさん、私の携帯番号とメアド、プロジェクトの人に教えちゃったの?
まあ向こうの名刺もらってるし、普通は名刺交換して連絡先教えるんだろう。
私は高校生だから名刺なんか持ってないし、仕方ないと言えば仕方ないかも。
「サラスさんはどうするんですか、夏休み。」
「明後日からインドに帰国して、2週間は向こうにいます。日本に戻るのは8月10日以降になると思います。シュリーも一緒に帰りませんか?」
「行きません。それに私パスポート持ってないですし。」
「それはいけませんね。いざと言う時のためにパスポートは直ぐ用意しておいて下さい。」
いざと言う時って何?いざと言う時って。
えっちゃんは部活行っちゃったし、霧子ちゃんは帰っちゃったかな?
夜になったら連絡しよっと。
そのまま家に帰ったよ。
家に帰って、えっちゃん達に連絡するにはまだ早いので、第二弾の評判ネットで調べて見たよ。
『最上仏具店 ラッキーアイテム』で調べると出るわ出るわ。
効果あった、欲しいって言う意見と、インチキ、ステルスマーケティング、インド料理店のパクリって意見が拮抗してるね。
悪口言われると結構凹むよ。
あれ、売ってる値段は元々と一緒で、あんなに一生懸命祈ったのに。
これ多分実際に買うどころか見たこともないのに、ネット情報だけでインチキって決めてかかってるよ。
実物見たらほのかに光ってるのは誰でも分かると思う。
もし非難してる意見が消えるように祈ったら、それを書いてた人に何事かが起こって消すことになるかもね。お昼に霧子ちゃんが言った通りに不幸配っちゃうことになるよね。
分かった。
文句言ってる人らにラクシュミーの力を示す。
ネットの女神シュリー降臨するよ。
SNSで『シュリー(吉祥)』と言うID取った。
それで、文句言ってるつぶやきにコメント付けた。
ーーー
シュリー(吉祥)@Sri
インド料理店のパクりも何も両方私がやったんだよ。
えー@A
ありえん。
びー@B
うそつき。
しー@C
ラッキーアイテムで運が向いてきました。ありがとう。
シュリー(吉祥)@Sri
しーさん、何か願いが有ったら、かなうよう祈るけど、何かない?
しー@C
コンサートのチケットキャンセル待ちなんだけど、なんとかなりませんか?
シュリー(吉祥)@Sri
取れるよう祈ったよ。
しー@C
チケット取れたってメール来ました。速すぎ。凄い。ありがとうございます。
でぃー@D
自演きたよ。
いー@E
証拠希望。
しー@C
メールのスクショ
えー@A
これ本物?
えふ@F
私の願いも聞いてください。彼と仲直りしたいの。
シュリー(吉祥)@Sri
彼氏さんから連絡来るよう祈ったよ。
えふ@F
彼からメール来た。ありがとう。
ーーー
その後は凄い騒ぎになったみたいだけど、応答が多すぎて読むのやめちゃった。
夕食後霧子ちゃんと話したよ。
「ネットで検索したら、ラッキーアイテムの悪口言ってる人が多い。
頭に来ちゃった。」
「お客さんはみんな感謝してるよ。
ネットはどんなものでも悪く言う人は必ずいるから。」
「それで、SNSにシュリーって名前でID作ったよ。
パクリだって言ってる人に『インド料理店のパクりも何も両方私がやったんだよ。』って言ってやった。
それでコメントの中にラッキーアイテム買ったって言う人がいたよ。
それでその人が『コンサートのチケットキャンセル待ちなんだけど、なんとかなりませんか?』って言うから取れるようにお祈りしたら、即取れたって。
他にも『彼と仲直りしたい』って人がいたから『 彼氏さんから連絡来るよう』お祈りしたら直ぐ連絡来たみたい。」
「え、そんな事したの?
それ他の人が気づいたら騒ぎにならない?」
「なったけど、応答が多すぎたから読むのあきらめちゃったよ。」
「ダイレクトメッセージでお願いが一杯届いてない?」
「フォローしてない相手からのダイレクトメッセージ禁止してるから。
誰もフォローしてないし。
とにかく、暫く悪口言ってる人探して反論してみるよ。」
「あまり大事にならないと良いけど。」
「それはそうと、夏休みになったけど、何の予定も無いんだよ。
何処か遊びに行かない?」
「それもそうだけど、ラッキーアイテムまた頼めないかしら。」
「良いけど、この前結構な量やらなかったっけ。」
「それがどんどん売れちゃってるから、今月中にはなくなるんじゃないかしら?」
「でもあまり沢山用意して、ある日ぱったり売れなくなったら困るよね。」
「だからもし良かったら夏休みの間だけでも時々お願いできないかしら?」
「それは良いけど、その事より今は何処か遊びに行きたいの。」
「明日終業式済んでからえっちゃんと三人で相談しない?」
「そうしようか。」
その夜夢の中にラクシュミーが出てきたよ。
「祥子、ようやく気がつきましたね。」
「どういう事?」
「私、そして私の化身であるあなたも、全ての人に幸運をもたらし、あるいは幸運をもたらす事を止める事が元々出来ます。
しかし人々がその事を知らなければ、全ては偶然と思われます。
私たちがどれ程力が有ろうと、知られなければ人々にとって存在しないと同じです。
それは祥子にも分かったでしょう?」
「うん、それは実感している。」
「あなたが幸運をもたらした人が、その事を知ってあなたに感謝するとします。
それをあなたが知れば、その人に更なる幸運をもたらそうとしますよね。」
「それはそう。」
「あなたが幸運をもたらしたのに、感謝しないか、単なる偶然だと言う人にはもう幸運をあたえたくなくなりますよね。」
「もちろん。」
「あなたが幸運をもたらし、相手が感謝する。
それを見て、あなたは更なる幸運をもたらし、相手は更に感謝する。
そう言う連鎖を繰り返せば、あなたに感謝する人と感謝しない人に大きな差が出来ますよね。」
「そうだね。」
「その差こそがあなたの力です。
知られる事なく幸運をもたらす事は単なる偶然と同じです。
あなたが人々の運命を操る事が出来ると人々が知ることがあなたの力です。
今日あなたは正しい事をしました。
幸運をもたらすと告げてから、幸運をもたらす、それは正しいあり方です。
そして感謝を示すものに更なる幸運もたらす。
その様子を人々が知る。
それは新しい神のあり方です。
あなたは『ネットの女神シュリー降臨』と言いました。
それは全く正しいです。
あなたは今日ネットの女神になったのです。」




