表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

もう直ぐ夏休みだよ

 ラクシュミーに言われたから、試験勉強は一生懸命やったつもり。

いつも通り、勉強した所が出たから実力以上の点が取れたよ。

試験結果は上から1/5ぐらいの所だけど、実力だと平均ぐらいはある、と思いたい。


 試験が終わったので霧子ちゃんちに行ってラッキーアイテム第二弾を用意したよ。

新ポップはこの前にもましてパワーアップ。

ポスカのキラキラ50%UP。後光のところは本当に光ってるし。

吉祥天様全体光ってるけど、後光のところは一段と光ってる。

ただ単にケント紙に描かれた絵だとはもう誰も信じないレベル。

肝心のアイテムも

「この前の2倍御加護がありますように。」

って祈っておいた。


 困るのはそうして祈ると、自分自身も光っちゃう事。

光が収まるまで、事務所に篭って鏡とにらめっこしてた。


 そうやって気合入れたのは、この前成り行きでインド人のプロジェクトに協力する事になっちゃったから。

このままインド人ばかりにラクシュミーの御加護をもたらすのはいやだ。

インド人が悪いわけじゃないけど、やっぱり私は日本人なんだから日本人に幸運をもたらしたい。

そうしないと、そのうちインドに行く羽目になりそうだしね。


 帰りに霧子ちゃんちに届いてた感謝のお手紙を受け取ったけど、20通ぐらいあったかな。

ラッキーアイテムがもたらした幸運の話が色々あって、心が温かくなったよ。


 夏休みまで後一週間になったけど、この間にK市では大きなお祭りがあるよ。

二晩山車が通りに飾られて、最後に昼間山車が街中を回るの。

祭りの日は毎年同じ。

車が街中を回るのは今年は平日なので学校があって見にいけないよ。

前日と前々日は夜山車の上で祭囃子が演奏され、出店が出たりするの。

歩行者天国になった通りは見物に来た人で一杯になるし、それがいやで見に行かない人もいるよ。

私は見に行こうと思ったんだけど、ラクシュミーに止められた。

他の神様の祭りに行くのはNGらしい。


 霧子ちゃんによると、えっちゃんは誰か男子と一緒に行ったらしいよ。

へーそうなんだ。いつの間に。

昼休みに聞いてみた。


「えっちゃん。 この前の祭り、誰かと二人で行ったんだって?」


「誰から聞いたの?」


「霧子ちゃんから。」


「霧子ちゃん!!!」


「私は黒金さんから聞いたんだよ。」


「なんかもう噂になってるみたいね、でお相手は?」


「秘密。あんたたちが知らない人だよ。」


「えっちゃん、うまく行くようにラクシュミーにお祈りしようか?」


「止めてよ、絶対に止めて。」


「うそうそ、冗談だよ。」


「本当に怒るからね。」


「じゃあ、お相手についてちょっとだけ教えてよ。」


「うーん、私、将来美大に行きたいので、絵の塾に通ってるの。

そこで知り合った他校の男子。

一回一緒に行っただけで、まだ付き合ってるわけじゃないし。」


「まだ付き合ってないの?」


「だから変な事しないでね。」


「必要になったらいつでも言ってね。

えっちゃんは大切なお友達だから。」


「だからいいって言ってるの。」


 えっちゃんは不幸な人じゃないからね。

どっちかと言うと今幸福だよね。

そう言えばラクシュミーにヴィシュヌの事聞いたとき、私についてはもう少ししてからって言ってたよ。

あれどう言う意味だったんだろう。

でも下手に聞いて、だからインド行けとか言われたくないな。


「ところで、この前のラッキーアイテム第二弾はどう?」


「凄い売れ行きだよ。

どうも第一弾の話が大分ネットで広まってたみたいね。

第二弾入荷って話も直ぐ広まって、お客さん殺到だよ。

直ぐに第三弾もお願いするかも。」


「ラクシュミーも幸運配れって言うから大歓迎だよ。

第二弾は第一弾の二倍御加護がありますようにってお願いしといたし。」


「え、そうなの?」


「そんな事他の人には分からないじゃない。」とえっちゃん。


「そんな事言っても、具体的に御加護が働いてるかどうかなんて私分からないし。」


「この前、感謝の手紙渡したよね。」


「でもそれはラッキーアイテム買った人のうちの極僅かだよね。」


「でも手術成功したとか、宝くじに当たったとか、良い人と知り合えたとか色々書いてあったよ。」


「でもラッキーアイテムのお陰かどうか分からないじゃない。

第一私5等しか当たってないのに。」


「それは確かにラクシュミー様にもちょっと考えて欲しいと思うよ。」と霧子ちゃん。


「でも毎回当たるのって相当凄いって。」とえっちゃん。


「一等当たるなら一回で良いんだよ。」


「でも一等当たったらそれで働かなくなっても困るし。」


でも、せめて4等は欲しいよ。約束じゃない。


「私思うんだけど、祥子ちゃんは自分が何やってるのか自覚無さすぎだよ。」と霧子ちゃん。


「え、どう言うこと?」


「例えばTV局のビデオが消えた件だけど、あれもし祥子ちゃんが消したのがビデオじゃなかったらって思わない?」


「よく分からないんだけど。」


「祥子ちゃんがそんな事するとは思わないんだけど、祥子ちゃんが誰かが邪魔になって『消えちゃえ。』って言ったらどうなるの?

何かが起こってその誰かが祥子ちゃんの前に現れなくなるかもね。

その人は『単に運が悪かっただけ』なのかな?」


「ちょっと霧子ちゃん、止めてよ。」


「だからラクシュミーとかサラスさんは自覚しろって言うんじゃない?」


「気をつけるよ。

私はラクシュミーに幸運を配れって言われたのに不幸を配ったら駄目だよね。」


「そうそう。どんどん幸運を配ってね。」


「でも黒金さんちの事でも、金の延べ棒見つけたのと、祥子ちゃんがラクシュミーに祈った事の間に因果関係があるかどうか分からないよね。

ラッキーアイテムだってそうだし。

もし祥子ちゃんにそれだけの力があって、それを使ってみんなを幸せにしても、その事は私たち以外の誰にも分からないじゃない?」とえっちゃん。


「それがそうでもないんだよね。」と私。


「え、どう言うこと?」とえっちゃん。


「この前の土曜、私サラスさんと一緒に帰ったよね。

あの日実は、日本で商売してるインド人経営者の人達と会ったの。」


「何それ?」とえっちゃん。


「あのね、サラスさんに金貨の鑑定をして欲しいって言ったら、代わりに私と会いたいって言ってるインド人経営者がいるから会ってくれたら鑑定士に鑑定させるって言ったんだよ。

それが酷いの。

行ってみたら前インド料理屋さんにあげたラクシュミーの絵を元に2頭身キャラ作って商売したいって話だったの。

事前に全然そんな話してなくて、行ったらいきなりプロジェクトのプレゼンされたの。

しかもサラスさんにラクシュミーの化身であることが分かるように神威を示せって言われて思いっきりピッカリしちゃったの。

そうそう、第一弾で描いたポップの写真とかラッキーアイテムの現物とか全部向こうに漏れてたよ。」


「そんな。」と霧子ちゃん。


「ちょっと待って。金貨って何の事?」とえっちゃん。


まずい、また墓穴掘ったよ。


「うん、言ってなかったけど、黒金さんの件で、どうしたら良いか分からなかったので、そう言えばネットで出てくるラクシュミーの絵って手から金貨が出てるのが多いって思ったの。

そしたら手の中に金貨が……」


「どうしたの?」とえっちゃん。


「こんな感じに。」

と言いながら、握ってた右手を開くと、手の中にまた金貨があったよ。


「きゃ。」と霧子ちゃん。


「しー、ちょっと霧子ちゃん、声大きいよ。」


「ちょっと見せて。」とえっちゃん。


「手品じゃないよね。」


「そんな事して何になるの?」


サラスさんがこっち見てる。

わ、なんかこっち来たよ。


「シュリー、普通の人にあまり奇跡を見せたら駄目ですよ。」


「え、奇跡?」


「そうです。」


そう言うとサラスさんは戻っていった。


なんか不味い雰囲気が漂ってるね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ