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プロローグ

 現在、僕アルバ・スクリアムは処刑の順番を待ってる。

 此処まで落ち着いていられるのもヒューマンと言う自分の種族に嫌気がさしたからだろうか?

 



 

 ヒューマンと言うのはこの世界で最も数が多く傲慢な種族だ。

 他のどの種族よりも弱いのに強いと言う矛盾した種族でもある。

 前述した通りヒューマンは数が多い、しかし差別意識が酷くわざわざ他種族へ戦争をしかけている。

 他種族──エルフや獣人、デミヒューマンとも言う──は個人の能力が高いが数が少なく成す統べもなくヒューマンに殺されている。

 本当に酷いことだ。

 まあ一番酷いのはその行動を正義だと本気で思っていることだが。

 だからと言って此処まで拒絶しているのはこの国だけだが。


 さて僕が処刑される事になったのは町の酒場で酔って声高だかに

「言葉が通じ話し合うことができて理性もあるのにどうして国のお偉いさんはデミヒューマンを殺す事しか考えてないんだ!?」

 と叫んでしまったからだ。

 すぐに衛兵の奴らが来たと思ったら、とんとん拍子で牢屋に連れていかれて3日後の今日にはもう首チョンパだ。


 ああ、もう時間が来たようだ。

 背中を押され、処刑場まで歩かされる。

 処刑場には老若男女様々な人が集まり僕へ罵声を浴びせる。

 「死ね!」や「町の恥さらし!」なんかはまだいい方だ。中には石を投げて来る奴らもいる。

 断頭台に頭を乗せられたところで場が静まる。


 死ぬ事は嫌だがこんな差別まみれの中で楽しく生活できると思えない。

 しかし、どうして差別がダメだと思ったのだろうか?

 わからない。

 いや、子供の頃にはもっとおかしな事を言ってた気がするな。

 ふぁんたじーなんて言葉も使ってたけど、どういう意味だったかな。

 

 見物人が息を呑むのが分かる。

 恐らく斧を振り上げているんだろう。

 

 ーーああ、やっぱりまだ生きたかったな。


 おお、目をつぶり出す人が居るって事は斧が振り下ろされたのか?

 

 ーー本に載っていた全ての種族が手を取り合い生活する理想郷、本当にあるなら是非行って見たかったな。


 少数だが悲鳴も聞こえる。ということはもう首は切られたのか?

 あ、俺の頭が転がって落ちていく。

 って!ちゃんと掴めよ!人の頭だろうが!

 おいおい!?何も蹴る事はないんじゃねーか!?



 アレ?

 

 

   

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