八月
違うのみまず進めろ。と自分でも思うのですが、つい((
他のもしっかり書きますよ!はい((
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
人が人に助けを求めるのは間違っている__。
自分は醜い喧嘩を見て育ったきた。だからか人との間で起こる問題には無頓着で、興味も湧かず、よくクラスメイトの間で起こる物事には知らん降りしている自分がその物事が起きた原因の張本人だとか言われせいにされる事はしばしば、そしてそのような光景を見るのも歳が経つにつれ慣れてくる。
流石に自分が誰かに暴力を振るうのは抵抗があるし、やりたくもないが。だが、この国にこういう体験をしてる人はきっと、少なくないだろう。
なんだかんだと生きてきて、数十年。生きてまだ日が浅いと言えるか微妙な年齢だ。友達も多くはないが、いる。長い関係だと歳と同じぐらい付き合ってる人がいる。ただ、本当にその人たちが友達かと聞かれたら、「分からない」と自分は答えるだろう……。
8月。
ジンジンと蒸し暑く、だらけたい季節が夏休みが過ぎたのと共に、終わろうとしている。
この年は受験シーズンで家ではほとんど勉強に時間を使っていた。そのせいか、体育の授業で運動をするだけでめまいがする。
今は、そんな日々を過ごしている日の昼休み。
「そうだ。大貴っ!」
俺の背中に全体重を乗っけて、のしかかってきた麻友はいかにも楽しそうに声を明るくして話しかけてきた。
「何かあったのか?」
「えっへーん。私ね、私立の学校から推薦もらったのだ!」
「へー、良かったじゃん。」
心にない事を言う。
「何それ、全然気持ちこもってない。」
「はいはい、良かったですね。」
「うわっひどーい。傷つくよー私っ」
麻友がふざけたような声で笑った。
「いつも聴いてる。」
俺は笑った。
「大貴って笑うと可愛いのにな〜」
後ろから伸びてくる手の指先に頬を、ツンツンされる。
「男に可愛いって言ってもな。」
「えー、だっていつも無表情じゃん。大貴」
悪気を見せないその声には、怒る気さえ起きない。それに事実なのだ。俺は人より表情を変えない。だから先生や必要最低限しか話さない人達からは、愛想が悪いと言われている。
「はぁ……。なぁ麻友、そろそろどけてくれないか?……重い」
ワザと溜息を吐いたあと、麻友に言った。
「えっ? あぁ、ごめん。……って、重いって何!? 重いって!!」
背中から離れたかと思った真先に、麻友の声高の声を浴びせられた。
麻友の頬が少し膨れている。
「事実だろ、犬が背中に乗ってても重い。」
「確かに。ってそうじゃなくて!」
今度は膨らんでいた頬が、朱色に染まる。
「助けてよー、楓ー」
向き合っていた麻友が、俺の後ろにいる誰かに助けの声をだした。
「どうしたの?麻友」
後ろから現れたのは、明るくて長い髪が印象的な南だった。
「大貴が、私のこと重いって言うのー!」
麻友は萎ませたと思っていた頬をまた、膨らませた。
「風谷くんが?」
南 楓は、俺らのクラスの学級委員で面倒見がよく男子にも女子にも人気があるらしい。あと、麻友の親友らしい。
南は、麻友に問いかけながら俺の顔を見てきた。
「事実だからな」
それだけ言うと、さっきまで目を見合わせていた、南の顔から背けた。
「大丈夫だよ。麻友は私より軽いもん」
なんのカバーだそれは。つい突っ込みたくなるセリフだった。
実際、麻友は女子としても少し小柄な方で、髪型はセミロングと言うロングとショートの中間の髪型らしく、決して肥っているわけではない。それに対して南は女子にしては高身長でそのわりには細い身体付きが目立ち、麻友との体重がどうとかの話ではない。(まず、身長が違うのだから比べようがない)
「でも楓は身長高いもん!それで私より軽かったら、私の立場がない!」
まさにその通りだと俺も思う。
「でも、身長高くていいことなんてないよ」
女子はつくづく負けず嫌いだと俺は思う。あと、麻友には悪いが、南は俺の苦手な性格かもしれない。
「それは高い人だから言えるのっ!」
まさにその通りだ。俺は首を上下に動かしていた。
「……戻ろ」
俺は、ズボンについた汚れ取るように手で払い、立ち上がる。
「もう行くの?」
麻友が座ったままの状態で聴いてくる。
「もう、食い終わったし二人で話してていいよ」
そう言って俺は屋上を後にした。
つまり俺と麻友は屋上で昼ごはんを食べていて、(本当はあともう一人いたのだか用事があることを忘れてたらしく帰った)そして食べ終わってから二人で話している時に、南が来たわけだ。
俺と麻友は両親が親友同士らしく、俺らは互いのことを物心がつく前から知っている。つまり幼馴染だ。
「あれ? 大貴? もう戻んの?」
階段を降りてる途中で佑磨と会った。
「あぁ」
「麻友は?」
「南と話してる」
「南と?」
コイツ、樋口 佑磨は、小学三年の頃からの付き合いだ。特に運命的な出会いをしたわけでもなく同じクラスになってたまたま隣の席で、馬があってそれで仲良くなっただけだ。あとあるとすれば、男子の中では一番関わっているかもしれない。
俺の顔をまじまじと見てきた佑磨は、一息吐いてたらゆっくりと階段を上り、俺の背後に来た時に小声で言った。
「お前、馬鹿だろ」
本当に小声だった。独り言のような気さえもした。けど、俺に向けられた言葉だと言うことは不思議と分かった。
「俺、麻友のところ行ってくる」
「おぅ」
佑磨の言葉に答えたか否かの時にはもう階段を勢いよく登る音が耳に響いていた。
「馬鹿ってなんだよ__」
俺が呟いた言葉は階段の音で打ち消された。
閲覧ありがとうございました。