プロローグ
星の光は、何万年もかけて地球に辿り着く。俺達がいつも見ている光は、ずっと昔に放たれたもの。ようやく辿り着いても、俺達が目にするのはほんの一瞬き。その一瞬のためだけに星は日々活動を続けている。なんて儚いのだろう。
「速く、速く!」
「ちょっと待ってよ!」
そんな星達からすれば、俺達の一生なんて微々たるものだ。
「もうすぐだから頑張って!」
だからと言って、不幸なわけじゃない。これが俺達人間の摂理であって、変えようのない真実だ。何も可哀想じゃない。
「見えてきた!」
暗い森の中を駆け抜ける。やがて見えてきた光。飛び込めば、一本の木と小高い丘が現れた。
「着いた。この丘だ」
あいつらと出逢えて、共に過ごせて、本当に良かった。心からそう思う。幸せだって思っている。例え、その時間があまりにも短かったとしても。
「綺麗」
「こんな沢山の星、見たことない」
「スゲー」
「なあ」
あの夏。
「いつかまた、ここでこの空を見よう」
共に見た満天の星空を。
「いいね、それ!」
あの丘で交わした約束を。
「絶対だからな!」
俺達は絶対に忘れない。
これは、俺達が紡いだ、煌めくような青春の物語。




