おかんメールに脱帽
先ごろ、「おかんメール」の記事を読んでナチュラルキラー細胞を活性化させた……というか、早い話が爆笑した。
「おかんメール」を発信しているのは主に中高年の女性らしい。メールやLINEなどで誰かにメッセージを打つ際、不慣れゆえに誤字脱字や話の脱線などを含む、予想外の文章を作成してしまうのだ。
たとえば。
「コカインランドリー行ってきます」
おそらく「コインランドリー」と打ちたかったのだろうけど、何故「コイン」が「コカイン」になってしまうのか?危険薬物と洗濯という組み合わせは、ねづっちでさえも「整いました!」とは言えないはずだ。
「しばらくフランスのロンドンへ渡米します」
まず、どこの国へ出かけるのかをしっかり決定すべきだと思う。首都名はそれからじっくり考え、答えを導き出すと良いのではないか。「渡米」という熟語は、「海外渡航」と勘違いして使われている可能性もある。それで、結局おかんはどこへ旅立ったのだろう?
「紫外線通信」
二人のおばさんが、UV蛍光管を装着した日焼けマシンを互いにかざし、こんがり小麦色に日焼けしている様子が目に浮かぶなり。
「猛反発枕」
この枕に安眠を求めてはいけない。頭を載せるやいなや振動・跳躍・ひねりを駆使し、入眠を妨害するにきまっている。
「紅白豚合戦」
ひらがな及び漢字だとたった一文字の間違いなのだが、内容ががらっと変わってしまう。今年の締めくくりには、赤組と白組の豚が舞台上で入り乱れる様子が全国中継されそうだ。
「今日は冷やかし中華です 延びない宇宙に」
「冷やかし中華」というネーミングも斬新だが、注目すべきは「延びない宇宙に」だ。正しくは「伸びないうちに」だと思われるが、「ビッグバンの後に猛烈な速度で膨張し続けている(らしい)宇宙」という概念に真っ向から挑戦するフレーズとなっている。偉大なり冷やかし中華。
「元気ですか? お母さんは絶倫です」
お母さん……マムシドリンクとかスッポンエキスとかミックスして飲んじゃいましたか?
このメッセージを受け取った側からすれば、「お母さん絶倫なんだ、良かったね♪」と素直に言うのは困難である。まさかとは思うけれど、「絶好調」と言いたかったのだろうか?
この他にも「子宮帰れ」「美術館の浣腸と五班食べてます」など、常人が考えても思いつかないような傑作がたくさんあるらしい。
「おかんメール」に限らず、メッセージを送信する前に文面を読み直して訂正すれば間違いは起こらないはずだ。
おかんの中では、メッセージを打った→できた→即送信、という流れができあがっているらしい。推敲なぞという手間や時間をかけたくないのであろう。
ただ、私自身も「おかんメール」の作成者になる可能性はある。いつか傑作ができたら、堂々と家族に送信するつもりだ(!)。