表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

退治

A HAPPY NEW YEAR!


今年も頑張りますので、

どうぞよろしくお願いします

(_ _)



命が呼び出した霊魂は、

命を中心に渦を巻きながら広がり、白狐を巻き込もうとした。


「そんなモノか?

ソナタの力は…」


白狐は余裕の笑みで命を見下ろしていた。


「!」


――もっと…


命は霊魂に更に力を委ねた。


すると霊魂の渦を巻くスピードが増した。


「ほぅ…」


白狐は命を試し見るかの様な視線を向けた。


――もっと、もっと…


命をその視線に触発され、更に力を求めた。


「っ…」


命は今までにない力の放出に眉を歪ませ、目を瞑った。


――もっと…


それでもまだ力を求めた。


――もっと!


ブワァッ!!!


霊力が溢れだし、霊魂を呑み込んで渦を巻き始めた。


「っ、何!?」


命の範囲を超える力に制御を失いかけた。


「…言うことを聞いて!」


命は何とか力を扱うために、意識を強く持った。


「ぃっ…けぇー!!」


命は思う力を…手にした力の全力を白狐に向けて放った。


回っているうちに霊魂に光が集まって形が変形していき、人骨となった。


人骨は次々と白狐にしがみついていった。


「こんなモノで!」


白狐は力を放出しようとした。


だが、


「!?」


力は放出できなかった。


青く光る各個体の人骨が白狐の力を抑え、縛り付ける鎖となったのだ。


命は無意識に左手の人差し指と中指ゆ立てて口元に寄せた。


そしてそれをきっかけに、命の口や体が勝手に動き、声を発し出した。


まるで遺伝子に刻まれていた、遠い昔の記憶が受け継がれているかのように…。


「人に仇なす悪しき妖怪よ、

その身が引き起こした悪行と共に消え去れ!」


すると立てた指先に光が集まった。


そして命の体は飛び上がり、白狐に向かった。


「な…ち、ちょっと!

お待ち……!!」


何の抵抗もできない白狐は

慌てふためき人骨を払おうとしたがもう遅かった。


パシンッ!


気付いたときには命の光に白狐の体が真っ二つに割られていた。


「ぐっ…」


それでも白狐はしぶとく足掻き続けた。


「消え去れ!」


「ぐあぁぁぁっ!!」


冷徹な命の一言の後、

白狐の叫び声が上がった。


光が白狐の肉片を包み込み、塵ひとつ残らぬほどに粉々に砕ききったのだ。



「っ…」


命は肩で大きく息を着き、

周りを見渡した。


霊魂は静かに床に浸透する様に消えていった。


残ったのは最後の一撃で滅茶苦茶になった教室だった。


ガラスは全て割れていて、蛍光灯は落ちているものや取れかけているものもあった。


カーテンは所々破れていて

壁には穴は空いていないものの、生々しい傷跡があちこちに残っていた。


机や椅子は霊魂によって巻き上げられ散乱している。


ふと唯や紫姫たちが倒れている方を見た。


不思議なことにそこだけは何の被害もなかった。


命の力が無意識にそこだけは避けていたようだった。




「よかっ…た…」


そこで命は意識を手放した。


視界が傾き目の前が真っ暗になった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ