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淋しい夜と出ない粒コーンスープ。

パソコンが直りましたぁ〜。

 陸がアパートを出ていって1週間が経つ。

前回みたいに仕事から帰ってきてたら玄関の前にいることを期待して帰る……。


けど、陸の姿はない。


やっぱり、もう帰ってこないんだ……。


「どこに行ったんだろう?」


ひかるのとこにでもいるんだろうか?

ひかるに電話でもしてみようかな……でも、そんなことできない。

『帰って来い』って言ってるみたいで……。

(そのうちいなくても気にならなくなるよ)自分にそう言い聞かせながら眠りにつく。

 

 あの日から、タケル先生とは仕事が終わると誰もいない診察室で、……する。

陸の事を気にかけながらも、大好きなタケル先生に毎日抱かれてる。

好きな人に抱かれてる嬉しい気持ちと、陸に言われた『サイテー』という

言葉の苦しい気持ちがクロスする。

複雑な気持ちなのに、身体はとても素直にタケル先生を感じてる。


「先生……ウチに泊まれないの?」

コトをおえてタバコをふかすタケルに訊く。

「んー。無理だよぉ」

分かってるけど、ちょっと訊いてみただけ……。

「そうですよねぇ〜」

笑いながらそう言う自分、結構傷ついてる。

「さっ、病院閉めるから行こうか?」

「はい……」


こーんな毎日。

いっこうに姿を現せない陸……。



   *  *  *



 アキちゃんのウチを出て1週間が経とうとしている。

ひかるネエのアパートを2日で追い出され、昼は大学、夜は警備の仕事をしながら、

インターネットカフェで寝泊りしている。

当然だけどアキちゃんの粒コーンスープは朝出てこないし、

コンビ二で市販のカップスープを買って飲んでいるけどなぜか美味しくない……。

昔は好きでよく朝飲んでいた。

けど、美味しくない。

パソコンの画面に目がチカチカする……。


「あー。帰りてぇ〜」


携帯のアキの電話番号を見つめるがボタンが押せない……。


「俺……ひどい事言っちゃったよな?」


アキちゃんが言った『陸だって同じ事してるようなもんじゃん』

確かにそうかも……って、冷静になった後感じた。

状況は違うけど、百花を裏切ってるのには変わらない……。

アキをサイテーと言った言葉に後悔をする。

「どうしよう……」

そんな事を考えながらまた夜眠りにつく。  


 二人に恋愛感情はない……。

けど、いないとなんとなく淋しい夜と朝が続く……。

粒コーンスープを作るアキとそれを楽しみに待つ陸の淋しい朝と夜はしばらく続いた。

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