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THEフリン?。あんたなんか大っきらい。

パソコンが固まってしまい、違うパソコンで書くのは

とても書きにくいです。

同じ機種なのに…。(涙)性能が良すぎるパソコンは私には似合いません。


よく分からない可愛い義弟??でもなんとなく分かってきた陸との同居も順調、タケルとの二度目の密会?も順調にコトを運ぶ。

フリン関係が始まる前と変わらず(と言ってもまだ始まったばかり)診療時間が終わり後片づけをしているとタケルはいつものようにアキを呼ぶ。

「アキちゃん、ちょつといい?」いつのもように素面のタケル。

「あ、はい」アキも素面で作業を止め院長室に入って行く。

「これさ……」みんながまだ残ってる時は、診療のコトについて話をするが、みんなが片づけを終わり「お疲れ様でした〜」と言う声が聞こえるとタケルとアキは同時に「お疲れ様」と声を合わせる。

そして、パタンッ。というドアの音が聞こえた後、タケルはアキにいつもの優しくキスをした。

とろけるよなキスにアキはいつもうっとりと落ちていく。

本当にキスが上手なんだよなタケル先生。

身体の力が抜けていくって言うか……今までの少ない男性経験の中で一番感じるキス。

コトもやっぱり最高。

 

アキは先に院長室から出て、真っ暗の寒い夜一人家路を歩く。

 今日は、なんかヒトケが少ないな……なんて、もう午前様を回ってるなんて気づ

きもせず、陸が晩御飯を作って待っているというコトも忘れ、スタスタと歩いた。

 もう、ほんと超ハッピィ!!

 今でも信じられない思わぬ展開にアキの心は踊る。思い出してもニンマリ、鼻の

下が伸びてしまう。

 あっ、こんな表現の仕方はしないか?女の子らしく表現しなくては……。

 タケル先生のH、とろける程の甘いキスは、何度でも言うけど最高に良かった。

 数少ない男性経験からしてもあんな思いはしたコトがない(しつこい?)

 頭のてっぺんから足のつま先まで、まるで私はソフトクリームになったかのように

とろりと(また)溶けた。

 「あっ、そうだ!アイスクリーム買っていこう」



 「ただいま〜。陸〜アイス買ってきたよ〜」

 超ご機嫌で勢いよくドアを開けたら、陸が玄関で座禅を組んでいた。

 「……」

 (ほえ?)「陸……なにしてんの?」

 「瞑想」

 「は?」

 め、瞑想ぉ?な、何、修行の旅にでも出るのか?まぁ、あんたは少し悟りを開いた方

のがいいのだけれど……。アキは特に深く考えるコトもせず、鼻歌を歌いながら靴を脱

いだ。

 「ウソだよ……」

 不機嫌そうな声で陸はポツリと呟く。

 「へっ?」

 陸はゆっくりと立ち上がりながら、「今、何時よ?」とアキに聞く。

 「……ん?さぁ、分かんない。十時ぐらい?」

 ノー天気に答える。

 「携帯の時計見てみろよ」

 「なによぉ」

 アキはふてくされながらコートのポケットから携帯電話を取り出し、時間を確認する。

 1:30

 げっ!

 「今何時?」

 横目でアキを睨む陸。

 ううっ。

 「1時30分です……」

 申し訳なさそうに下から陸の顔を見るアキ。

 「ったく、電話の一本くらい入れろよっ!電話つーじねーし。心配したんだからなっ」

 心配してくれてたの?

 「ご、ごめんね。陸……」

 「ふー」

 深々く頭を下げるアキを見つめ、ため息をついた陸はガスコンロの火をつけた。

 「今、ご飯温め直すから、服着替えたら?」

 「うん」

 「ったく、何してたんだよ。こんな遅くまで」

 「ん?仕事……」

 こんな遅くまでHしてたなんて、恥ずかしくてとても言えない。

 こういうところは、私乙女なんだよね。

 「うそだ」

 「……」

 ぎくぅー。

 「アキちゃん。彼氏でもできたんでしょ?」

 ぎ、ぎくぅ……。な、なんて鋭いんだ……ほんと、ひかるといい、この従弟の陸といい。

なんて鋭いんだ。

 「あっ、いやっ、彼氏……彼氏なのかな?なんて言えば……」

 彼氏?彼氏だよな?フリン相手……そう言えば……なんなんだろう?タケル先生にとって、

今の私って……。『好きだよ』の言葉だけで……はっきりとは分からない……。

 その言葉だけで、ズルズルと……。

 アキは頭の中で色々と考える。

 私は、先生にとってなんなんだろう?ひとり有頂天になってた。

 「彼氏じゃない人と会ってたの?」

 「……」

 よく分からない……?

 「んで、何してたの?」

 陸は落ち込むアキに何気なく訊いてみる。

 「あー、エッチ」

 「あー、エッチねぇ……。はぁ?」

 「あ」(ボケツ)

 わ、つい口がすべった。

 「彼氏でもない男と?」

 「ちがっ……」

 アキは首を左右に振る。

 「アキちゃん。そんな感じの人だったんだ……」

 陸は少し悲しそうな表情でそう言うと、温まった味噌汁と晩御飯のおかずをコタツの上に並

べ始めた。

 イヤだ陸。私、気持ちなしでなんか……。

 「誤解っ……」

 「誰?じゃぁ、アキちゃんの彼氏はどんなヤツ?」

 「……」

 「隠すことないじゃん」

 アキは恐る恐る小さな声で、相手を口にする。

 「……先生……」

 「何?」

 はっきり聞き取れない陸はもう一度訊きなおす。

 「勤め先の先生……」

 今度ははっきり聞き取れた陸は、俯くアキを見つめ大きくため息をついた。

 「はぁ〜」

 「……」

 ずっと俯き少し震えてるアキを黙ったまま見つめる陸。

 陸のついたため息は、アキに恋愛感情があってのショックため息ではなく、シテキマシタ女を目

の前にしているからでもない。

 鍋パーティーの時、酔っ払い眠りに入る少し前に、アキが泣きながら 『タケル先生大好き〜』

と口にしていた男が、勤め先の先生=妻子持ち。だというコトを知っていたから。

 「アキちゃん、サイテーだね」

 陸の言葉がアキの胸を刺す。

 何も言えない……。

 「その男もサイテーだね。妻子いるんだろ?何考えてるんだろ?」

 自分のコトを言われるコトにはそんなに気にはならなかったが、タケル先生のコトを悪く言う陸

にアキはキレ、頭に血が上る。

 「悪いのは私なんだからっタケル先生のコトは悪く言わないでっ!」

 「何それ?」

 突き刺さるような目でアキを見る陸。

 こんな陸、初めて……。

 軽蔑してる。

 泣きそう……私。

泣きそうな自分とそんな陸の突き刺さる目にアキはつい、「陸だって、タケル先生と同じようなも

んじゃんっ!」思ってもいない言葉と、言うつもりもない言葉が口からあふれる。

 「はぁ?」

 「だってぇ、百花ちゃんいるのに、こうして私と一緒に暮らしてるじゃん」

 「……」

 「初対面の女のとこ転がり込んできて、女の布団の中入ってるじゃん」

 どうしよう……止まらない……。

 「俺?アキちゃんに手ぇ出した?」

 「っ……。そんなのハタから見たら分かんないっ。だから陸だってタケル先生と同じだよっ」

 「俺、結婚してるか?」

 「……」

 「俺は、先生とは状況が違うだろ?」

 「確かに違うけどっ……」

 ど、どうしよう。陸の顔……ものすごく怖い。

 「な……」

 「うんん、違わないっ。結婚してなくても百花ちゃん裏切ってるコトは確かだもんっ。それに私と

タケル先生はお互いに気持ちあるから」

 その言葉に、陸は呆れコタツに入る。

 「もぉ、いいよ。バカに言っても分かんねぇから」

 「バ、バカ?こっちだってもぉいい」

 「……」

 「もぅ、あんたなんか大嫌いっ!」

 「はぁ?」

 アキの言葉にカチンとする陸。

 「出てってよ」

 「何、またそれ?」

 陸はアキを睨み、コタツから出ると押入れの荷物をバックに放り込んだ。

 「もう、戻ってこないで」

 言うつもりのない言葉がまた口から出る。

 「分かりましたぁ。さよならっ!」

 荷物を詰め込んだ陸は苛立った声で別れの挨拶を告げる。

 今度こそ陸は帰ってこなくなる。頭ではそう思っているのに……分かっているのに……。

 「短かったけどお世話になりましたっ」

 苛々しながらブーツを履く陸。

 「……」

 『ウソ、出て行かないで……』そう口にしたいのに、そういう言葉だけでない。

 「じゃぁ」

 ブーツを履き終え、陸は、襖の所で黙ったまま自分を見ているアキをちらっと見ると玄関

のドアを開ける。

 パタンッ。ドアが閉まると同時に溢れ出す涙。

 涙が止まらない。

 止まらない。

 今度こそ、今度こそ陸は絶対、帰ってこない……。

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