さよなら、好きなウチ。
『さよなら』
何回喧嘩して、何回追い出して、何回戻って来てくれたんだろう……。
前のように、同居人、可愛い義弟……なら、またやり直せれるかもしれないけど、
今は違う。
ただそばににいたくて、将来なんかまだ考えないただの恋愛なら一緒に暮らせれた
と思う……。
でも、私達は“結婚”という将来を見始めてしまった。
普通ならきっと簡単にいくんだと、思う……。
でも、私が好きになった人は、歴史と言うか……良くよく分からないけど、私とは
少し違う家の人。
がんばる……コトも陸とならきっとできたと思う。
でも……私は……弱かった。
ここから逃げ出したい…と、感じてしまった。
あんなに大好きな陸の暖かい手を離してしまった。
陸が出て行った後、私は大きなバックに自分の荷物をつめ込み始めた。
何を、思ったんだろう……。あまりあの時の記憶がない。
気づくと窓には朝日が差し込めている…。
「はぁ……眠れなかった。」
昨日、病院から帰ってきたままの服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
頭の中で色々考える。
考えた末に出た結論が、昨日バックにつめ込んだ荷物と一致する。
ここを出よう。
このウチを出よう。
仕事は辞めてしまおう。
そして何処か行こう。
「よし」
シャワーを止め、身体を拭き、服に着替え朝食をとる。
いつものようにニュース番組を見て、片付けをする。
* * *
「ありがとうございましたぁ。よろしくお願いします」
引越し屋のお兄さんに挨拶をし、取り合えず荷物を実家に送ってもらう。
「ふーっ、よしっ。これで引越し完了!」
何もないと広く感じる6帖二間と4.5帖の台所。
「短い間だったけど、ありがとう」
なんて挨拶しちゃってみる。
本当にさよならなんだ。
「さよなら、好きなウチ」
さよなら…………陸。
story2.大切な人編はここでENDです。
前回のstory3は削除してしまいました(すみません)
次回から新人物が登場します。
いつ更新になるかは未定ですが。。。また再開したいと思います。