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キミを想う。

 言ってしまった。

コンビニで弁当を一つ買いウチに帰る。

アパートの窓を見上げるとついていないと思ったいた部屋の電気がついている。

「陸……」


「お帰り、アキちゃん」

「ただいま」

コンビニで買った弁当を床に置きアキは陸の顔を見る。背中を向け、アキの顔を

見ようとしない陸。

「俺、あのまま出て行こうと思ったんだけど、きちんとアキちゃんと話してから

ここを出て行こうと思って……」

きちんと……。

そうだよね、あんなんじゃ納得できないよね?

「……そう」

あんなに楽しかったウチに重い空気が流れる。

「アキちゃん、俺、アキちゃんの本当の気持ち……訊きたい」

陸はそう言うとアキの顔を真っ直ぐ見た。 

今でも一緒にいたい……本当は、そう思ってる。

陸以上に好きな人、もうできない……そう確信もできる。

でも……。

アキは俯くと重い口を開いた。

「ごめん。私、もう、ダメみたい……。もう、終わりが見えてる人とはこれ以上

一緒にはいられない……」

「何言ってんの?」

「……」

「何言ってんだよお前……なに……」

徐々に震える陸の声。

「勝手に終わりなんか見んなよっ!」

大きな声をあげた陸にアキは一瞬ビクンッとする。

そんな自分にビクッとするアキに気づいた陸は「あ、ごめ……」と謝る。

「陸……もし、本当に私のコト大切に想ってくれてるなら……お願い、別れて……」

震えるアキの言葉。

決心は固い。

本当に大切に想ってくれてるなら……?そう言うアキの気持ちが陸には理解わからない。

けど、分かるのは尋常ではない今のアキ。

「……」

少し時間を置いて……少し離れたほうがいい……のかも、陸はそう思った。

ひかるネエのお母さんが言ったコト……。

少しの間……。

「分かった」

陸は押入れを開け、バックに荷物を詰め込みはじめた。

「……」

止めないと……。これでいい……。この二つがアキを迷わす。

無言のまま荷物を詰める陸の姿を見つめるアキ。

 

今は何を言ってもダメだと思う。

一度、離れて……そんな気持ちで陸は荷物を詰め、最後に洗面所にある歯ブラシを

ゴミ箱に捨てた。

「じゃぁ、アキちゃんこれ返すよ」

いつも大事にポケットの中に入れてあるくまのキーホルダーがついたウチの鍵をそ

っとコタツの上の置く。

「……」

それを見つめるアキ。

震えが止まらない。

「……ありがとう」

陸は悲しそうな顔でアキを見つめ一言言う。

「……」

すれ違うアキの肩と陸の肩。


陸が行ってしまう。でも、自分で決めたコト。

背中に感じる陸の姿。

アキちゃんの背中……。

「……さようなら」

静かに閉まる玄関の音と陸の声……。


……さよなら。陸の声が耳の奥を木霊する。

「陸っ」

アキはその場に泣き崩れた。


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