陸への気持ち。
胃腸風邪から脱け出せないです。
みなさんも風邪にきよつけてください。
朝、早く目が覚める。
障子から薄っすらと朝日が見える。
アキは辺りを見回すと、隣にひかるのお父さんと陸が寝ている。
あれ、私…。
どうして陸が隣にいるの?。
記憶がない。
私、ひかるのお父さんと記憶が無くなるほど飲んだんだ。
自分がかぶっていた毛布をそっとひかるのお父さんと陸にかける。
陸、隣で寝てたんだ。
静かに寝息をたてて寝てる陸を見つめアキは少し涙ぐむ。
「陸。」
そっと陸の髪を撫ぜるアキ。
「ふふっ。」
ほんとかわいい寝顔。
「んん…。」
わっ、陸が目を覚ます。
なぜか分からないけど、陸に会いたくない、アキはそう思い不意に立ち上がろうとした。
「わぁ。」
立ち上がろうとしたアキの手を目を覚ました陸が掴んだ。
「アキちゃん。」
「あ、おはよう。」
アキの手を掴む眠そうな陸の顔。
「ん。」
「ごめん、起こした?。」
「大丈夫。」
陸はアキの手をしっかり握り締めたまま起き上がり、不機嫌そうな顔でアキを見た。
「ごめん…陸。」
怖いよ、そんな顔しなくてもいいのに…胸がぎゅっと苦しくなる。
「ねぇ、アキちゃん?。」
自分の目を見る陸の真剣な目。
「ん、何?。」
アキはあの時の様にまた目をそらし返事する。
「なんか俺の事、避けてない?。」
「えっ、そんな事ないよ。」
そっと陸の顔を見るアキ。
避けていないつもり、つもりだけど…。
「うそだね。ほら、また目そらす。」
自然とそらしてしまう目。
「そうかなぁ?。」
やばい、私…。
「…。」
「あっ、私、顔洗ってくる。」
これ以上は平然さを装い会話が出来ないと思ったアキは陸の手を離し立ちあがった。
「…。」
「陸も早く家帰ったほうがいいんじゃない?。じゃぁ、また帰ったらね。」
自分でも分かる、引きつった笑顔を作る。
「…。」
陸はまだ不機嫌そうな顔で何も言わずただアキを見ている。
どうしよう、泣いちゃいそう。
どうしたんだろう、私?…。
陸、怒ってるよね?。
どうしよう…早くウチに帰りたい。
一人でいたい。
涙が溢れてくる…。
どうしよう。
陸はぼーっとそのまま座っている。
理由が分からない。
2度も手を離したアキ。
俺の目をあまり見ようとしないアキちゃん。
どうしたんだろう?。
近くに親父がいるから?。
こんな時だからそばにいてあげないといけなかったかな?。
陸は、色々と考えていた。
なんか少し泣いてたように見える。
「あっ。」
陸は、急いでアキのいる洗面所に行った。
「あれ、アキちゃん?。」
アキはいない。
お勝手に行ってみるが、ひかるのお母さんとひかるの妹の京がいるだけ。
「叔母さん、京。おはよう。」
「おはよう、りっくん。」
「あら、早いのね?。まだ、6時よ。ゆっくり寝てればいいのに…。」
「叔母さん、アキちゃん見なかった?。」
「アキちゃん?、見なかったわよ。」
「そう。」
何処に行ったんだろう?。
アキはひかるの家の庭の大きな石の上で座っていた。
アキはここに来て自分も気づかないうちに、自分の陸への気持ちにブレーキをかけようになっていた。
自分も知らないうちに陸の事を諦めようとしている?。
なぜか分からない?。
あれだけの親戚の人が陸となのかの結婚を待ちわびているように感じたし、家族という絆がすごく見えた感じがした。
なのかという子も、もう安西家の家族なんだという感じ。
私はあの中へは入っていけない。
不思議なほどあっさりそんな事を冷静に感じてる自分がいる。
陸への気持ち…。
行かないで…捨てないでねとか、言えない自分。
変なとこで素直で素直じゃない自分。
思ったより諦めがいい自分。
言いたい事思いっきり言える感じがするのに肝心なことが言えない自分。
こんな自分。
明るいのにたまにすごく暗くなる自分。
こんな自分…どうしたらいいのかも分からない自分。
私は…。
私…。
アキの心の中にある決心みたいなのが固まりかける…。
その決心は…。
陸に言わなきゃ…。
でも、いつ言ったらいいんだろう?。